2020 Fiscal Year Research-status Report
医用内視鏡に使用可能な高出力・高トルク超音波マイクロモータ
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19K04512
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
石井 孝明 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40262323)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 超音波 / アクチュエータ / ランジュバン振動子 / 伝送線 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.2020年度は、本研究の目的の一つである、伝送線を利用した超音波マイクロモータの動作機構について、回転部分の振動速度分布を測定し動作状況の検討を行った。 2.本研究の研究実施計画に従い、先端の回転機構の振動速度測定および検討を行った。特に形状の最適化に必要な動作状況の測定として、振動速度分布の測定を行った。 3.先端の回転機構部分において、ロータと接触する先端部分と後端部分、およびホーン先端の振動速度を位相を含めて測定した。従来は有限要素法で振動モードを計算したが、実際にどのように振動しているかは測定ができなかった。今回レーザドップラ振動速度計を購入できたのでマイクロモータの微小部分の測定ができるようになった。 4.振動速度の測定については、先端の回転機構の位置を微調整することができる設計になっている。位置を変化させることで、振動分布がどのように変化するか測定を行った。その結果、先端部分と後端部分が同位相で振動する場合と逆位相で振動する場合があることが明らかになった。モータ特性を測定すると、同位相の場合と逆位相の場合で差が出たが、スプリングワッシャーの設置を工夫することで、どちらの場合でも似たような特性が得られることが明らかになった。 5.先端の回転機構について、振動分布の測定ができたことは本研究の大きな進歩であった。測定ができたことで新たな課題を得ることができ、回転機構の新規提案も行いつつも、部品の選択も視野に入れて検討を行うことにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理由 研究計画の一部は進んだが、一部有効な進捗が得られなかった。 研究実績の概要に述べたように、超音波モータの先端回転部分に関して速度分布を測定することができ、駆動状況について新たな知見を得ることができた。 しかし、先端の回転機構の改良については、時間的・技術的制約もあり、新規提案ができず、やや計画に遅れが生じる結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も、研究活動の自粛や研究室の学生のマンパワーの関係で、研究計画の遅れが懸念されるが、できるだけ研究遅れを最小限にするよう努力する。 2021年度の研究計画では、2020年度の積み残しである先端の回転機構の検討を進め、回転機構の基礎的な特性の精密測定を引き続き行う予定である。丁寧な測定をおこなうことで、今後の構造改良の足掛かりとする。 回転機構の新規提案も行いつつ、部品の選択も視野に入れて検討を行うことにする。 回転機構の基本設計は、研究開始時からあまり変わっていない。本年度はより小型な物、より高性能なもの、より高耐久なもの、より作りやすいもの、等、特性向上を目的として新しい機構を提案し検討したい。
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Causes of Carryover |
レーザドップラ振動速度計に中古品を購入したため、次年度に未使用額が生じる結果となった。面外式(縦振動測定用)を購入した。 次年度分と予算を合わせて、もう一台、面内式(横振動測定用)レーザドップラ振動速度計を購入し、測定可能範囲を拡大する予定であったが、中古品であるため該当の機器が購入できなかった。本年度は購入する予定である。
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