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2023 Fiscal Year Research-status Report

Study on polarization stabilization of long wavelength GaAsBi surface emitting laser utilizing anisotropic gain

Research Project

Project/Area Number 19K04514
Research InstitutionEhime University

Principal Investigator

下村 哲  愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (30201560)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2025-03-31
Keywordsガリウムひ素ビスマス / 長波長帯面発光レーザ / 偏光安定化 / 量子井戸 / 光変調反射分光スペクトル / 基板温度制御 / サーモグラフィ / 面内基板温度分布
Outline of Annual Research Achievements

2023年度 研究実績の概要
【①光学的品質と偏光特性を維持しつつBi組成の増加】350℃域で成長したガリウムひ素ビスマス(GaAsBi)量子井戸層は、1.0~1.2 μm帯で発光し、発光効率が高く、強い偏光を示す。これを用いれば特別なプロセスなしに偏光安定化した長波長面発光レーザを実現でき、格段に性能を上げることができる。長波長面発光レーザ構造を成長するには多層膜層による反射率変化のない波長領域の赤外線で基板温度を測定する必要があり7.5~14 μm帯の赤外線を利用したサーモグラフィによる温度測定が最適な方法のひとつである。しかし実施例がない。2022年度に作製した焦点距離50 mm、直径40 mmの7.5-14 μmの赤外線用凸レンズを収める超高真空フランジを設計し製作した。焦点距離25 mm、直径9.5 mmの赤外線用凹レンズを自作し望遠レンズを構成した。望遠レンズを通したサーモグラフィの面内温度分布像では1.35倍の倍率で観察でき放射率を0.19に設定すれば実際の基板温度に対応することがわかった。
【②偏光が生じる機構の解明】GaAsBi量子井戸の光変調反射分光スペクトルではT = 50 Kにおいて主ピークを1.208 (1.215) eV, 2ndピークを1.160 (1.155) eV, 3rd ピークを1.100 (1.080) eVに観測した。このスペクトルにはホトルミネッセンススペクトルには振動形状の偏光依存性が表れ現在理由を解明中である。
【③光通信帯O-bandのGaAsBi/GaAs量子井戸面発光レーザの試作】面発光レーザの集光用の球面型マイクロレンズの形成についてシミュレーションを行った。曲率半径の小さなところでは、エッチングが速く進むことがレンズ形成要因である。球面型マイクロレンズの曲率半径の面内均一性、再現性を上げるための実験を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

【①光学的品質と偏光特性を維持しつつBi組成の増加】2020年度、サーモグラフィを350℃域の基板温度測定法として採用。2021年度、基板ヒータの迷光の除去。2022年度、2-inch GaAs基板を用いて温度較正の実施、20 mm の領域で基板温度が340-345℃の範囲に入ることを実証。赤外線望遠鏡用凸レンズを作製。2023年度、超高真空装置へのレンズ装着フランジの設計・製作、自作の赤外線望遠レンズで熱画像を1.35倍にして温度分布を観測。当初の計画より十分に高い成果を上げつつある。
【②偏光が生じる機構の解明】2020年度ホトリフレクタンス(PR)とホトルミネッセンス(PL)の同時測定可能に。2021年度、測定とノイズ除去の自動化で試料温度変化等の系統的な研究が可能に。2022年度、メカニカルなチョッパーから電子制御でタングステンランプ光、レーザ光のon/offが可能に。ノイズの大幅な低減にメド。2023年度PR, PLスペクトルの両方で3つのピークからなること、強い偏光依存性を見出した。
【③光通信帯O-bandのGaAsBi/GaAs量子井戸面発光レーザの試作】プロセスの要素技術の確認段階であるが、最も重要な基板裏面の窓開け技術を確立(2020年度) 光の取り出し効率の上昇と集光機能を加えた(2021年度)。曲率半径を108 μmまで縮小できるようになった(2022年度)。再現性、面内均一性について調べ、マイクロレンズ作製のためのエッチングシミュレーションを作製。(2023年度)。

Strategy for Future Research Activity

【①光学的品質と偏光特性を維持しつつBi組成の増加】分子線エピタキシ(MBE)装置で実証実験を確実に行うため、別の真空望装置を試験実証用に立ち上げる。望遠レンズを備えたサーモグラフィによる基板温度測定と面内基板温度分布測定をおこない、真空装置内で測定に問題点がないかを調べる。問題点があれば、問題点を解決する。問題点をすべて除去したのち、MBE装置に装着し、温度較正、再現性の確認をおこなう。Bi組成の増加法、高い結晶品質、強い偏光の3者が並び立つか実験的検証をおこなう。
【②偏光が生じる機構の解明】 (100)GaAsBi量子井戸 高指数面GaAsBi量子井戸について光変調反射分光スペクトルの温度変化を測定し電子構造についての解明を進める。
【③光通信帯O-bandのGaAsBi/GaAs量子井戸面発光レーザの試作】2024年度、集光のための球面レンズを備えた面発光レーザプロセスを確立する。

Causes of Carryover

超高真空環境である分子線エピタキシー装置内にある基板温度測定を7.5 ~ 14μm帯の赤外線で計測するサーモグラフィで実施した例がなく、我々が真空環境での試験実証を行う必要があり、2023年度後半から設計と部品購入を進めてきた。2024年度第1四半期で実証を進めるため、研究期間を延長する必要があった。また、そのため装置の調整用部品の購入にあてるための2024年度に繰り越す必要が生じた。

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Published: 2024-12-25  

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