2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K04535
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
須賀 良介 青山学院大学, 理工学部, 助教 (20398572)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 電波吸収体 / パッチ / 入射角度 / 偏波 |
Outline of Annual Research Achievements |
メタマテリアル電波吸収体として,金属板で裏打ちされた誘電体基板上に円形パッチを配列した電波吸収体の高機能化に向けて研究を進めており,その設計方法について大別して2つのテーマを推進した.
1. 電波吸収体からの反射波を,裏面金属板からの反射波とパッチからの反射波の重ね合わせで表現できると仮定し,それぞれの反射係数を理論計算より求め電磁界解析により求めた反射係数と比較した.両者は非常に良く一致することを示した.パッチの反射係数の導出過程において,回路トポロジーを仮定しているなどまだいくつか明らかにすべき課題があるが,重ね合わせの理の適用については概ね正しいことを示す結果が得られている.
2. これまでの研究において,正方格子状に周期配列されたパッチ間の電磁界結合が電波吸収体の特性に大きく影響を与えることがわかっており,この結合を考慮した回路モデルの作成について検討した.1つのパッチについて,隣接パッチとの結合を表現する4つのポートと自由空間との結合を表現する2ポートを持つ6ポート回路としてモデリングした.そして,周期構造であることを考慮して境界条件を4つの結合ポートに適用した上で,この6ポート回路を解くと,電磁界解析と良く一致する入射角度や周波数特性が得られることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
試作に用いていた基板が廃盤となり,代替基板の評価に時間を要したが,大きな問題は生じないことがわかった. 設計理論の構築については順調に進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,2つの設計理論構築について研究を推進する. 特に重ね合わせの理を用いた設計については,パッチによる反射係数推定においていくつかの仮定が含まれているため,この妥当性について検討する必要がある.またこの仮定が成立しなかった場合には,理論的に導出可能であるパッチに流れる表面電流を用いた推定に方針を切り替え検討をすすめる.
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため出張がすべてキャンセルとなり旅費が発生しなかったため,次年度使用額が生じました.
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