2021 Fiscal Year Annual Research Report
リング拘束供試体を用いた補修用モルタルの火災時の爆裂評価手法の提案
Project/Area Number |
19K04546
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小澤 満津雄 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (80313906)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ポリマーセメントモルタル / 爆裂 / 火災 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,高度経済成長期に建設した鉄筋コンクリート構造物(以下,RC構造物)の多くが長期供用され,補修・補強が必要な状況となっている。RC構造物の断面補修には,ポリマーセメントモルタル(以下, PCM)が用いられている1)。PCMは母材コンクリートとの付着性の向上を目的として,モルタルにセメント混和用ポリマーを混入したものである。また,物質侵入抵抗性が高く補修に適した特徴を有する。一方,PCMは火災時には爆裂現象を生じる危険性があり,対策が必要であるとの報告がある2)3)。本研究グループでは,コンクリートの火災時の爆裂試験法として日本コンクリート工学会で規準化されたリング拘束供試体法を用いて,PCMの爆裂評価を行っている。このなかで,PCMが爆裂しやすいこと,ナイロン繊維を混入することで爆裂が抑制できることを明らかにしている。加えて,コンクリートをPCMで補修したケースの加熱試験も実施している7)。一方,補修したRC部材の加熱試験とリング拘束供試体法による爆裂試験結果の比較評価がなされていないのが現状である。そこで,本研究ではRCはりをPCMで補修したケースを想定して, コンクリートにPCMを打ち重ねたRCはりを作製し,加熱試験を実施し爆裂性状を評価した。実験因子はナイロン繊維有無とせん断補強筋(スターラップ)の有無とした。加えて,リング拘束供試体法を用いてコンクリートをPCMで補修したケースとPCM単体のケースにおける爆裂結果6)7)とRCはりとの比較評価を行った。さらに,ナイロン繊維の爆裂抑制効果について,普通セメントモルタル(以下,NCM)とPCMの熱分析結果をもとに考察した。その結果,ナイロン繊維無しのケースでは,ST無しと有りで爆裂深さが57mmと38mmとなった。一方,ナイロン繊維を混入したケースではST無しと有りで,それぞれ16mmと9mmで爆裂抑制効果を確認した。
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