2019 Fiscal Year Research-status Report
鉄筋腐食によるかぶりコンクリートの剥落リスク評価手法の構築
Project/Area Number |
19K04554
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
松島 学 香川大学, 創造工学部, 特命教授 (00130302)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
車谷 麻緒 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (20552392)
岡崎 慎一郎 香川大学, 創造工学部, 准教授 (30510507)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 腐食 / ひび割れ / 鉄筋コンクリート / 破壊力学 / 機械学習 / 電食 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,塩害を受ける鉄筋コンクリート構造物を対象に,鉄筋の腐食量,かぶり厚さ,鉄筋間隔などの条件が剥離・剥落リスクに与える影響を,特にコンクリートの内部・外部におけるひび割れの進展に着目して検討するものである.鉄筋コンクリート製の大型試験体を用いた実験的検討および,破壊力学に基づいた新しい腐食膨張モデルによる数値解析的検討により明らかにする.特に,鉄筋コンクリート部材の腐食の進行モデルと,かぶりコンクリートの剥離・剥落リスクの評価については,機械学習を用いたモデル構築を行う. 初年度の実績は以下のとおりである.1.鉄筋コンクリート製スラブ大型試験体に対する電食試験を実施し,鉄筋腐食によるひび割れの発生性状に関して,鉄筋同士を繋ぐような内部ひび割れとしての発生パターン,および,コンクリートの剥離もしくは表面ひび割れとしての発生パターンに分類できることを把握した.また,2次元デジタル画像相関法を用いて,ひび割れ発生過程を詳細に把握することに成功した.2.破壊力学に基づく損傷モデルを構成式とした,3次元有限要素解析により,鉄筋コンクリートの腐食ひび割れに対するシミュレーションの枠組みを構築した.鉄筋の腐食量,かぶり厚さ,鉄筋間隔などの条件の相違が,ひび割れ発生パターンの変化に与える影響の検討が可能となった.3.環境や使用材料,供用年数をパラメータとしたひび割れ損傷度に対する回帰モデルを,機械学習モデルを援用して構築した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた,大型試験体による電食試験,数値シミュレーション,機械学習モデルの構築,いずれも目標どおり達成している.
|
Strategy for Future Research Activity |
1.かぶり厚さや鉄筋径,鉄筋のあきを種々に変更した大型試験体に対して電食試験を行い,ひび割れ発生パターンを調査する.2.数値シミュレーションにより,大型試験体に対する再現性を確認するとともに,ひび割れ発生パターンの変化に対する分岐条件を得る.3.ひび割れ発生回帰モデルにおいて,かぶり厚さや塩害環境に対する特徴量を考慮したものを構築する.
|
Causes of Carryover |
件の流感発生により,試験体の一部が作製および試験が実施できなかった.それ以外の項目については問題なく進捗している.また,繰越分については,令和2年度に試験体作製費として計上する.
|