2020 Fiscal Year Research-status Report
Proposal of production method of geopolymer with less variation by Taguchi method and reaction product analysis
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19K04558
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
尾上 幸造 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (50435111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐川 康貴 九州大学, 工学研究院, 准教授 (10325508)
新 大軌 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 准教授 (70431393)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ジオポリマー / フライアッシュ / 最適化 / タグチメソッド / 動特性 / SN比 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は,2019年度に検討したA発電所からのJIS II種フライアッシュとは異なるB発電所からのJIS II種フライアッシュ(2ロット分)を用いたジオポリマーモルタルの配合および製造条件の最適化について,動特性のパラメータ設計を適用した.総計216回の実験結果からSN比を算定したところ,各設計パラメータの最適水準が2019年度の結果と一致することを確認した.そこで,2019年度と2020年度の総計432回の実験データを併せて解析したところ,各設計パラメータの最適水準が前述の結果と一致することを把握した.今後データを蓄積して妥当性を検証する必要はあるものの,本研究で得られた最適な設計パラメータ水準を組み合わせることで,フライアッシュの産地やロットによらず,ばらつきの少ないフライアッシュベースジオポリマーを製造できる可能性がある. さらに,A発電所からのJIS II種フライアッシュを用いたジオポリマーモルタルについて,実験計画法を適用し,ジオポリマー中のフライアッシュ反応率とC-A-S-H強度に及ぼす各設計パラメータの影響度について調べた.直交配列表としてL16を用いた.その結果,両特性値にはNaOH水溶液の濃度および水ガラスとNaOH水溶液の質量比であるSS/SHが強く影響することがわかった.具体的には,アルカリ溶液中のアルカリ濃度が高いほど高炉スラグ微粉末の反応が促進されC-A-S-H強度が大きくなる一方で,フライアッシュの反応性は低くなることがわかった.最適条件,すなわちばらつきの少ないジオポリマーの製造条件の下ではフライアッシュ反応率が増大することが昨年度の検討で明らかになっている.よって,フライアッシュベースジオポリマーの品質変動を抑制するという観点からは,アルカリ溶液中のアルカリ濃度をあまり高くし過ぎず適度に設定することが有効と考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書において,2019年度は(1)産地の異なるフライアッシュを用いた最適化実験,および(2)最適条件および最悪条件で作成したモルタルの微視的構造と反応生成物を明らかにすることを記載していたが,(2)の一部を除き完了した.2020年度以降は(3)産地の異なるフライアッシュをノイズに組み込んだ最適化実験,(4)強度による最適化の妥当性,(5)ジオポリマーの品質のばらつきに対する考察,および(6)フライアッシュの物性値と設計パラメータの最適水準との関連性について検討することを記載していた.このうち(3)については2020年度に完了し,(4)についても検討を進めている段階にある.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は上記(2)の一部および(4)から(6)の項目について研究を進め,総括する予定である.
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Causes of Carryover |
令和2年度はコロナウイルス感染拡大の影響により旅費の支出がなかったため,次年度使用額が生じた.令和3年度の助成金と合わせ,物品費,研究協力謝金,論文投稿費,英文校閲費等として適切に使用する予定である.
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