2020 Fiscal Year Research-status Report
FWDを用いた道路橋床版の健全度評価におけるたわみ測定の精度向上に関する研究
Project/Area Number |
19K04561
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
東山 浩士 近畿大学, 理工学部, 教授 (60319754)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | FWD / 道路橋床版 / アスファルト舗装 / 健全度評価 / たわみ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,重錘を落下させたわみを測定する手法であるFWD(Falling Weight Deflectmeter)を用いた道路橋コンクリート床版の健全度評価の高精度化に向けた橋面舗装の平均温度予測に関する実験的検討を行い,既往研究にて提案したたわみ補正方法の検証を行うことである.床版のたわみを高精度に収集するためには,重錘落下時の橋面舗装の局部変形を適切に補正することが不可欠であり,そのためには温度変化に敏感なアスファルト舗装の平均温度を予測することが重要である. コンクリート床版上に敷設された層厚の異なるアスファルト舗装(80mm,120mm)の内部温度測定を2019年9月から開始し,1年間を通じて30分間隔の計測を行った.得られた温度データを基に,アスファルト舗装の厚さ方向に重み付き平均した平均温度を本手法では取り扱う.平均温度予測式のパラメータとして,大気温度,路面温度,大気温度の1時間差,路面温度の1時間差が予測精度に及ぼす影響を検討した.その結果,最も精度が高かった大気温度,路面温度,路面温度の1時間差の3つをパラメータとした予測式を構築した. 本予測式の特徴は,路面温度の1時間差を取り入れたことにより,都市内高架橋における周辺建築物や防音壁等による日射の遮りが想定される箇所においても適用できるものと考えられる.また,これと並行して,研究実施計画に上げているFWD試験を実施するコンクリート床版の作製を行った. 2021年度は,まずこのコンクリート床版上において重錘落下をFWD試験により実施し,コンクリート床版単体のたわみ測定を行う.その後,アスファルト舗装を敷設し,その上からさらにFWD試験を行い,それぞれの試験から得られたたわみデータからたわみ補正手法の検証を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アスファルト舗装内部の温度測定を2020年9月に終了し,1年間の測定データを基に,平均温度予測式の構築を行ってきた.また,その予測精度について既往のモデル式との比較を行い,高精度化を確認した.また,これと並行してコンクリート床版を作製し,コンクリート床版単体でのFWD試験を2020年度内に実施する予定であったが,FWD試験がまだ実施できていないため,2021年度の早い時期に実施する計画を立てている.従って,おおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
コンクリート床版単体でのFWD試験を早期に実施するための計画を立てている.また,その後に敷設するアスファルト舗装についても夏季までに終え,アスファルト舗装の温度が大きく上昇する期間でのFWD試験の実施に向けて研究を推進する.また,冬季のアスファルト舗装の温度が低く,剛性が床版の変形挙動に影響を及ぼす時期に再度FWD試験を実施する計画を進めている.
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Causes of Carryover |
コンクリート,鉄筋などの材料単価が上昇している関係で,コンクリート床版の作製費が当初予定より増額となったため,経費の内訳を一部変更し,また経費の一部を大学校費にて負担したことにより若干の差が生じた. 次年度使用額については,2021年度のアスファルト敷設費,試験体廃棄処分費に充当する.
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Research Products
(1 results)