2019 Fiscal Year Research-status Report
再振動締固め法を用いた高耐久コンクリートの作製技術の構築
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19K04562
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
添田 政司 福岡大学, 工学部, 教授 (50148871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫨原 弘貴 福岡大学, 工学部, 助教 (70580182)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 再振動締固め / N式貫入深さ / 塩化物イオン / 気泡間隔係数 / 加振時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
再振動の明確な実施時期や実施方法に関する情報は極めて少なく,現場では感覚と経験に基づいた加振が行われているのが現状である。そこで本研究は,再振動の実施時期の指標としてN式貫入深さから求めたコンクリート抵抗値を用い,再振動の実施時期や加振時間の影響について検討を行った。その結果,以下の知見を得ることができた。(1)振動エネルギー量とブリーディング量の関係性は確認できなかったが,ブリーディング水が最も多く排出されるフレッシュ性状を示す時期が最適な再振動の実施時期であると考えられた。(2)再振動の実施時期は,N式貫入深さ測定によりコンクリート抵抗値17×10-3N/mm2を示した際に,再振動の付与効果が最も期待でき,滞りなく施工もできるため現実的なタイミングの1つの目安になると思われる。(3)コンクリート抵抗値17×10-3N/mm2を示した時期に再振動を実施することで,耐凍害性を確保する上で必要な25μmから250μmの範囲のエントレインドエアを消失させることなく,最も骨材下部に蓄積したブリーディング水が除去されるとともに,実質の水セメント比の低下によって1000nm以下の細孔が減少し高耐久のコンクリートを作製できることが分かった。(4)コンクリート抵抗が30×10-3N/mm2程度を示す時期に再振動を行った場合,余剰水は排出されるが,排出された余剰水の後が充てんされないため,むしろコンクリートの品質が低下する恐れがある。(5)加振時間の違いとして,加振時間を増加させても振動伝搬は減衰していくため,5秒程度の短時間の加振で十分に品質を改善できることが分かった。(6)再振動の場合に,フレッシュコンクリートとの締固めとは異なり,凝結によりフレッシュ性状が低下しているため加振時間が15秒程度と長くなると,材料分離が生じやすくなり,コンクリートの品質を改善できない可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画通りに実験と研究成果を得ることができている。また、1年前倒しで、12月に実際の現場において検証実験を行うことができ、室内試験で得られた研究成果を現場で実証実験の成果内容が一致した。
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Strategy for Future Research Activity |
再振動を行った場合には、ブリーディングが増加することで実質の水セメント比の低下によって強度や耐久性が向上することが確認されている。しかし、ブリーディングを勘案した再振動を行ってないものと比較しても耐久性が高くなっている。このことは、再振動が水和反応に影響を及ぼしていると考えられ、再振動による耐久性向上機構をより詳細に検討を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
現場検証において、近郊で現場を確保できたため、旅費を抑えることができた。また、コア採取のための費用を確保していたが、民間企業の協力により費用を抑えることができた。当初の計画以上に研究が進んでいることから、より詳細な化学分析を行うための費用に使用したいと考えている。
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Research Products
(3 results)