2021 Fiscal Year Annual Research Report
Bridge maintenance based on actual situation by development of effective repair method and framework investigation
Project/Area Number |
19K04573
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
宮下 剛 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (20432099)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 維持管理 / 鋼橋 / 補修 / CFRP / FEA |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年に,全ての橋梁の点検を近接目視により5年に1回の頻度で行うことが法令化され,平成30年度に1サイクル目が終了した.確かに,これまで現況すら把握してこなかった橋梁の点検を法令化して実施することは重要である.しかし,問題は,老朽化する橋梁の数が確実に増加することが明らかな中で,現状は橋梁を「見る」ことに主眼が置かれ,限られた予算のもと,「見つかった」損傷に対して,どのように具体的な措置を行うかという議論が皆無なことである. ここでは,効率的な補修工法の開発が求められる.鋼橋に対しては申請者が開発を進めてきたCFRPシートによる補修工法が有効である.近年,橋梁における損傷形態として,点検が容易ではない部位に腐食損傷が見つかり始めている.例えば,上路ワーレントラス橋におけるガセットプレートと下弦材が接続する溶接部の腐食損傷である.そこで,本研究では,腐食損傷したトラス橋ガセットプレートを対象に,既に実施した実験結果を参考にしながら有限要素解析(FEA)を通じて,残存耐荷力の評価や破壊形態の把握をするとともに,CFRPシートを用いた合理的な補修工法の確立に向けた検討を行った. また,現在,CFRPシートにより補修または補強した鋼部材のFEAは応力分布の確認を目的とした弾性解析が一般的である.一方,道路橋示方書の改定によりCFRPを積層した鋼部材を対象に,限界状態設計法の適用も想定される.そこで,シートのはく離,繊維の破断といった種々の要因によるCFRP積層鋼材の非線形挙動を再現できる解析手法の確立が求められている.そこで,本研究では,CFRP積層鋼部材が有する非線形のうち,鋼材とCFRPシートの接着層に挿入した低弾性で伸び性能が高いポリウレア製パテ材の使用による応力低減効果の変化とシートのはく離を再現することが可能な解析手法の構築に資する検討を行った.
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