2020 Fiscal Year Research-status Report
プレキャスト構造システムの復旧性・冗長性評価のための劣化・崩壊解析手法の開発
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19K04576
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
山本 佳士 法政大学, デザイン工学部, 准教授 (70532802)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | RBSM / 大変位・大回転 / 冗長性 / プレキャストコンクリート構造 / 継手 / 定着 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、生産性向上のための技術開発投資が活発化しており、コンクリート分野ではプレキャストコンクリート(PCa)構造の適用拡大や、施工性を考慮した合理的な継手・定着工法の活用等の検討が進められている。一方、新技術導入の際には当然新たな脆弱性の発生が懸念され、安全性、耐久性、復旧性の評価に加え、我が国においては特に想定以上の作用が生じた場合の冗長性の評価も重要である。 本研究では、PCa構造および新しい継手・定着工法を適用したRC構造の、部材レベルの性能評価に加え、構造システム全体の冗長性までを評価可能な数値解析手法を開発する。具体的には、剛体バネモデル(RBSM)および有限要素法を結合した解析手法をベースとして、(1)コンクリートの拘束効果を含む圧縮破壊局所化挙動、(2)鉄筋、継手、定着機構の弾塑性挙動および座屈を含む大変位・大変形挙動、(3)収縮、クリープ、鉄筋腐食、ASR等の各種時間依存変形・劣化現象、ならびに(4)大変位・大回転・大変形を伴う部材およびシステム全体の倒壊挙動までを、(5)鉄筋の節、継手・定着機構の形状から高解像度で再現可能な数値解析手法を開発する。 当該年度においては、既に開発している、大変位・大回転・破壊局所化挙動を再現できるRBSMを、さらに倒壊過程において各部材片同士が大変位・大回転挙動を経て接触・衝突する挙動も再現できるよう拡張した。さらに、同手法と、自己・乾燥収縮、クリープ、鉄筋腐食、ASR等をモデル化した劣化解析手法とを統合した数値解析手法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度においては、既に開発している、大変位・大回転・破壊局所化挙動を再現できるRBSMを、さらに倒壊過程において各部材片同士が大変位・大回転挙動を経て接触・衝突する挙動も再現できるよう拡張した。さらに、同手法と、自己・乾燥収縮、クリープ、鉄筋腐食、ASR等をモデル化した劣化解析手法とを統合した数値解析手法を開発した。これらの成果は、当初の予定どおりであり、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は当初の予定どおり順調に進展しており、今後も当初の計画どおり開発を進めていく。
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Causes of Carryover |
計算機使用のコストが、当該年度においては想定よりも大きくなかったため、その分次年度使用額が生じた。ただし、最終年度は確実に計算機使用のコストが大きくなるため、同使用額はそこに振り分ける予定である。
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