2019 Fiscal Year Research-status Report
Study on automatic chalk marks recognition for productivity enhancement of infrastructure inspection
Project/Area Number |
19K04580
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
河村 圭 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (70397991)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 社会基盤施設 / 維持管理 / 点検 / 変状図 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、社会基盤施設の定期点検プロセスを革新する要素技術となりうる、光学文字認識(OCR: Optical Character Recognition)技術を利用した「新たな変状図・点検結果総括表の作成手法」の創成である。具体的には、次の3つの研究テーマを、3年間のスケジュールで行う。まず、【研究テーマ1】として、既存OCR技術により、コンクリート表面をデジタル画像としてスキャンした撮影画像展開図から「チョーク跡」を読取り、変状図・点検結果総括表の作成に必要とされる「文字・数値・変状図形の情報」に変換する技術(自動判読方式)を提案する。【研究テーマ2】として、チョーク跡の認識率の向上、また、様々な形でチョーキングされた手書き文字への汎用性を高めるために、深層学習を活用する。さらに、十分な認識率が得られない場合は、【研究テーマ3 】として、チョーキングする際の文字を規格化することにより対応する。 研究テーマ1のチョーク跡自動判読方式は、「検出:撮影画像から図形・文字の場所を見つける処理」、「特徴抽出:図形・文字の形状から、その特徴を特徴量として数値化する処理」、「識別処理:前述の特徴量を利用して、図形・文字を、いくつかのカテゴリー(文字・記号コード)に分類する処理」から構成される。このうち、令和元年度は、検出に関する研究を実施した。具体的には、深層学習手法の1モデルであるVGG16を利用した、撮影画像からのチョーク跡自動検出手法を提案した。本手法は、高い検出率が得られ、その有用性を示した。さらに、本研究を有効に活用するために必要とされる技術として、撮影画像の質の向上を目的とした撮影画像生成に関する研究、点検作業の効率化を目的とした既存点検データへのアクセス手法の研究、点検の質の向上を目的とした点検体験システムに関する研究を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の研究開始初年度である令和元年度は、チョーク跡自動判読方式を進めるために必須とされる「検出:撮影画像から図形・文字の場所を見つける処理」手法を実現した。これにより、次の研究ステップである「特徴抽出」と「識別処理」の研究へ進むことができる。さらに、本研究成果を有効に活用するために必要とされる技術(撮影画像の質向上、点検データアクセスの効率化)に関する研究を実施した。 このように、令和元年度は本研究の基盤技術を確立し、本研究成果を有効活用するための研究を進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究開始初年度に、撮影画像中からのチョーク跡検出(位置特定)手法を実現できたことから、令和2年度は、主に、既存OCR技術を利用した、画像中のチョーク跡の特徴抽出(図形・文字の形状から、その特徴を特徴量として数値化する処理)、さらに識別処理(前述の特徴量を利用して、図形・文字を、いくつかのカテゴリー(文字・記号コード)に分類する処理)に関する研究を進める。具体的には、撮影画像中の「チョーキング跡」から、変状図・点検結果総括表の作成に必要とされる「文字・数値・変状図形の情報」に変換する技術の確立を目指す。なお、既存OCR技術では期待された精度が実現できないと判断された場合は、深層学習を活用した手法を検討する。
|
Research Products
(10 results)