2021 Fiscal Year Research-status Report
仮支柱等を必要としない腐食高力ボルト摩擦接合継手部のレトロフィット工法の開発
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19K04582
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 栄輝 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (90200609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 俊和 九州工業大学, 大学院工学研究院, 助教 (00759433)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 摩擦接合継手 / 高力ボルト / 開口変位 / ソリッド要素 / コネクター要素 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度までは,有限要素解析で研究を進めてきた.2021年度は,ボルト摩擦接合継手の供試体の載荷試験を行った.実験施設の制約もあり,1行6列の高力ボルト摩擦接合継手を検討対象とした. 併せて,ソリッド要素を用いた精緻なモデルでの有限要素解析と,コネクター要素を適用して高力ボルトをモデル化した,比較的簡便な有限要素解析を行った.母材と添接板間の摩擦係数は0.5,ボルト軸力は106kNとした.コネクター要素では,ボルト軸力を内部接触力として与えた.高力ボルト摩擦接合継手の実験では,必然的に結果にばらつきが生じるため,同じ実験を3回行った. 高力ボルト取り換えに伴う,継手部の挙動に関する検討である.そのために,内側から,1本ずつ高力ボルトを取り外し,再度設置するという作業を,6本すべての高力ボルトについて行った.作業に伴う変化として,母材間の開口変位に着目し,実験で測定するとともに,解析で算出した.開口変位は,取り換え作業とともに大きくなった.3回の実験結果にばらつきは見られたものの,それほど大きなものではなく,十分再現性のある実験結果が得られた. ソリッド要素による解析,コネクター要素による解析でも,実験と同様に,高力ボルト取り換えに伴い,開口変位は徐々に大きくなった.いずれの解析の結果でも,実験値との差が認められた.ソリッド要素解析の方が,実験値に近い. 取り換え完了後の開口変位を見ると,ソリッド要素解析と実験値(平均値)の差が0.07㎜,コネクター要素解析でも0.12㎜に過ぎない.この結果より,ソリッド要素解析はもとより,コネクター要素による解析でも,実用上,十分な精度でボルト取り替えに伴う高力ボルト摩擦接合継手の挙動を求められると判断された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高力ボルト取り換えに伴う1行の高力ボルト摩擦接合継手の挙動は,比較的簡便なコネクター要素による解析でも,実用上,十分な精度で求められることが検証された.ただし,コロナ禍のため,予定していた実験をすべて行うことはできず,さらなる検討は,2022年度に持ち越しとなった.
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Strategy for Future Research Activity |
異なるボルト配列,異なるボルト取り換えの検討を行い,安全なボルト取り換え方法の提案を目指す.
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため,予定していたすべての載荷試験はできず,使用額に変更が生じた.2022年度にやり残した載荷試験等の検討を行う.研究費は,そのために使用する予定である.
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