2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K04589
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Research Institution | Tobishima Research Institute of Technology |
Principal Investigator |
幸左 賢二 飛島建設株式会社技術研究所, -, 特別研究員 (00315160)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 耐震 / 津波 / 橋梁 / 津波波力 / 被害調査 / 津波設計 / 耐震設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下の耐震・津波工学関係の研究を実施した. 1)津波の桁への作用力評価:筆者らは津波実験を実施し,橋梁上部構造に対する段波先端部の作用力が津波の最大波高と桁模型の被圧面積,桁下高の関数である式を提案している.すなわち,再現性の高いー山孤立波性状の津波を桁模型に作用させる実験から,津波の作用力は波高または桁模型の被圧面積の増加とともに線形的に増加することを明らかにした.本年度は提案した水平方向の段波性状の津波作用力評価式の適用性を明らかにすることを目的として,他機関の実験結果の比較を行った.その結果概ね実験結果を提案式が包合していることが明らかになった.よって,提案式を用いることによって段波性状の津波の作用力を安全側に評価することが可能となる.なお鉛直方向の津波作用力評価式の適用性については現在とりまとめ中である. 2)熊本地震による橋梁被害分析:熊本地震においてはロッキング橋脚である府領第一橋梁で落橋が生じた.本研究では府領第一橋梁をプロトタイプ橋梁として,その有効な補強方法に着目して動的解析を実施した.具体的には,CASE2の支承耐力,変位制限構造耐力を大きくしたケースでは桁移動が制限でき,橋脚の回転角が0.06rad以下と落橋に至らない結果となった. 3)インドネシア橋梁被害分析:著者らは11月15日より1週間に亘り,地震被害調査を実施した.このうち地元の象徴的存在である鋼アーチ橋の被害状況,原因を中心に考察を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)津波の桁への作用力評価:津波に対しては当初の予定どおりに進展している.次年度は鉛直方向力に着目した分析を実施する予定である. 2)熊本地震による橋梁被害分析:新たに実施した実験および解析結果をとりまとめる予定である. 3)インドネシア橋梁被害分析:追加された検討課題であるが,詳細な図面を入手し,詳細分析を実施する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
1)津波の桁への鉛直作用力評価:次年度は提案した鉛直方向の段波性状の津波作用力評価式の適用性を明らかにすることを目的として他機関の実験と九州工大の実験結果との比較を行う. 2)熊本地震による橋梁被害分析:本研究では補強効果に着目して変位制限耐力を現行の3.5倍とし,かつA2橋台側にも変位制限構造を増加させ,桁移動をさらに制限させたCASE2-2を詳細に分析する. 3)インドネシアの橋梁被害分析:本研究では地元の象徴的存在である鋼アーチ橋の詳細被害状況,損傷原因を数値解析を用いて考察を行う.
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