2019 Fiscal Year Research-status Report
繊維材で補強された流動化処理土の地盤防災対策への適用に関する研究
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19K04590
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
木幡 行宏 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (90215301)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 地盤工学 / 流動化処理土 / 繊維材補強 / 地盤防災 / 強度・変形特性 / 埋戻し材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で対象とする流動化処理土の原材料は,産業廃棄物として処理される掘削発生土のうち粘性土を想定しており,これに一般軟弱土用固化剤によって安定処理を施し,再資源化した人工地盤材料を地盤防災対策として適用する方法について検討することが本研究の目的である。具体的には,研究期間内に古新聞を綿状に粉砕して繊維材としたものを混合した流動化処理土モデル地盤から採取する乱さない試料に対して,系統的な室内三軸試験を実施し強度・変形特性を明らかにするとともに,モデル地盤での小型FWD試験による剛性評価を実施し,地盤防災対策として考えられる繊維材混合流動化処理土の適用性を検討する. 当該年度においては,埋戻し材としての繊維材混合流動化処理土の災害が懸念される地盤に適用した場合のメリットとして考えられる補強効果を検討することを目的として,微小ひずみレベルでの変形特性の検討を行った.具体的には,せん断中に微小な除荷/再載荷を含む三軸圧縮試験を実施し,変形係数のひずみレベル依存性,せん断応力レベル依存性について把握し,三軸せん断特性に及ぼす繊維材添加量や泥水密度,さらに,養生日数の影響を検討した.本研究では,一連の三軸圧縮試験を実施するとともに,地表面付近の埋戻し材としての適用を想定した力学特性の把握のために,一軸圧縮試験を実施した。試験に用いる供試体の作製条件は,泥水密度が1.216,1.280 g/cm3,セメント添加量が80,100 kg/m3,繊維材混合量が0,10 kg/m3である。また,養生時間は28日および56日とした。試験結果より,泥水密度のわずかな減少でも流動化処理土の強度は著しく減少すること,低泥水密度で作製された流動化処理土に繊維材を混合することで,せん断による局部損傷や脆性的性質が改善されることなどが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で対象とする流動化処理土の原材料は,産業廃棄物として処理される掘削発生土のうち粘性土を想定しており,これに一般軟弱土用固化剤によって安定処理を施し,再資源化した人工地盤材料を地盤防災対策として適用する方法について検討することが本研究の目的である.具体的には,研究期間内に古新聞を綿状に粉砕して繊維材としたものを混合した流動化処理土モデル地盤から採取する乱さない試料に対して,系統的な室内三軸試験を実施し強度・変形特性を明らかにするとともに,モデル地盤での小型FWD試験による剛性評価を実施し,地盤防災対策として考えられる繊維材混合流動化処理土の適用性を検討する.当該年度においては,大学構内ピットでの繊維材混合流動化処理土埋戻しモデル地盤の作製し,不攪乱繊維材混合流動化処理土の微小ひずみレベルでの三軸せん断特性の検討する予定であったが,大学構内の工事のため,大学構内に模型地盤のピットが作製できなかったため,泥水密度を配合設計基準図に基づく泥水密度とその泥水密度より5 %減少させた泥水密度で調整した流動化処理土と繊維材混合流動化処理土を室内で作製し,せん断中に微小な除荷/再載荷を含む三軸圧縮試験を実施し,変形係数のひずみレベル依存性,せん断応力レベル依存性について把握し,三軸せん断特性に及ぼす繊維材添加量や泥水密度の影響について検討した.この研究内容は,令和2年度実施予定の計画であったため前倒しして実施したことになる.
以上より,計画通り研究は進展しているが,研究計画の入れ替えを行ったため、モデル地盤の非一様性の検討までは至らなかったことから,「おおむね順調に進展している.」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策としては,平成元年度においても大学構内のピットにおいてモデル地盤を作製できなかったため,令和2年度にモデル地盤において小型FWD試験を実施し,原地盤の剛性評価を行い,養生日数の影響を検討するとともに,モデル地盤の非一様性の検討を行う.さらに,流動化処理土の配合試験を実施し,実地盤に適用可能な流動化処理土の作製方法を検討する計画である.
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Research Products
(6 results)