2019 Fiscal Year Research-status Report
Failure mechanism for gravel mixed soil due to bucket excavation and estimation on its shear strength parameters
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19K04592
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
里見 知昭 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (80588020)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | バケット掘削 / 掘削実験 / 礫混じり土 / 力覚 / 掘削抵抗力 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は当初の計画に基づき,土と機械の力学的相互作用に基づいたテラメカニクス研究でこれまで見過ごされてきたバケット掘削による礫混じり土の掘削抵抗力変化と破壊形態の関係を明示するため,X線CT対応型掘削実験装置を作製した.しかし,物品調達や材料加工が当初の予定よりも時間を要することが分かったため,装置作製と並行して2次元掘削実験からバケット掘削による礫混じり土の掘削抵抗力変化の挙動と破壊形態について明らかにすることにした. 2次元掘削実験では,研究代表者が現有する掘削実験装置の一部を作り変えた.具体的には,バケット幅と土槽幅をほとんど同じにし,土の変形をビデオカメラで撮影するため土槽側面を透明アクリル板にした.礫以外の土として粒径が異なる硅砂を使用し,礫含有率(全ての土に対する礫の質量百分率と定義)を最大で40%に設定するとともに,礫含有率によらず礫分の体積を間隙とみなした砂骨格間隙比を一定にし,含水比を変更した条件で掘削実験を行った. 実験結果より,掘削が進むにつれてせん断線が繰り返し形成され,土の粒径の違いによってせん断線が異なることが観察された.そこで,最大掘削抵抗力・掘削エネルギー・掘削抵抗力の極大ピーク数を掘削抵抗力の特徴量として選定し,礫含有率との関係を整理した.その結果,礫含有率が同じ場合は礫以外の土の粒径が掘削抵抗力に影響を及ぼすことが確認された.さらに,礫含有率が増加すると掘削抵抗力の極大ピーク数はほとんど変わらず,最大掘削抵抗力と掘削エネルギーは増加した.以上の結果から,掘削抵抗力の特徴量が地盤強度と関連付けられる可能性があることが確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では,令和元年度はX線CT対応型掘削実験でバケット掘削による礫混じり土の掘削抵抗力変化と破壊形態の関係付けを行う予定であったが,装置の完成に遅れが生じることが分かった.そのため,装置作製と並行して,研究代表者が現有する掘削実験装置の一部を作り変えて2次元掘削実験を実施した.その結果,バケット掘削による礫混じり土の掘削抵抗力の特徴量と礫含有率の関係を明示することができ,掘削抵抗力の特徴量が地盤強度と関連付けられる可能性があることが分かった.このことから,これまでのテラメカニクス研究で見過ごされてきた「バケット掘削による礫混じり土の破壊形態と抵抗力変化に及ぼす礫の影響」についての知見を得ることができた. 以上の研究成果は国際シンポジウムでの発表により公表できたとともに,令和2年度に国内の学会にて発表する予定であることを鑑みて,概ね順調に進展していると自己評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,X線CT対応型掘削実験装置が概ね完成したことから,バケットによる礫混じり土の3次元の破壊形態と掘削抵抗力変化の分析評価を行う.そして,研究代表者が現有する掘削実験装置も用いて掘削抵抗力変化から礫混じり土の地盤強度を表す特徴値の取得と分析を引き続き行う.そして,礫混じり土に対応した中型一面せん断試験装置を作製して,地盤強度に及ぼす礫の影響を提示するとともに,掘削抵抗力の特徴量と地盤強度の関係を明示する.以上の計画は当初の計画とほとんど同じであり,変更点はない.
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Causes of Carryover |
令和元年度は当初計画の研究はほとんど計画通りに進行し,令和2年度の研究計画のために礫混じり土に対応した中型一面せん断試験装置を購入する予定であった.しかし全体予算の都合上,一面せん断試験装置を作製する計画に変更したため,令和元年度に使用する助成金を次年度使用額に充てることにした.本助成金は掘削実験や一面せん断試験にかかる物品購入費および材料加工費とともに当初計画の成果発表旅費に充てて,本研究課題を遂行する.
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