2020 Fiscal Year Research-status Report
Numerical study for thermo-hydro-mechanical behavior of ground source heat pump system using pile foundation
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19K04597
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木元 小百合 京都大学, 経営管理研究部, 准教授 (70362457)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 数値解析 / 熱-流体-力学連成解析 / 熱弾粘塑性 / 杭基礎 / 粘性土 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、杭基礎を利用した地中熱利用ヒートポンプシステム(エネルギーパイル)に着目し、地盤と構造物(杭基礎)、流体中の熱移動、流体の移動、土骨格の変形の連成を考慮した不飽和熱-流体-力学連成解析手法を開発する。特に、繰返し加熱および冷却の負荷が作用した場合の、杭の軸力変化や熱伝導による地盤変形、およびそれらの相互作用について、不飽和土の熱-流体-力学連成解析により明らかにする。再現解析は杭体に温度上昇を与えるケース、温度上昇と軸荷重を与えるケースについて実施し、杭基礎-地盤系の熱力学挙動に与える影響要因について検証し、基本的な知見を整理する。 本年度は、熱-弾・熱-粘塑性構成式を用いた粘性土地盤の熱-流体-力学挙動の数値解析法の支配方程式の定式化を行った。杭材料(鉄筋コンクリート)は熱膨張を考慮した熱-弾性体としてモデル化し、地盤は土粒子の熱膨張と熱粘塑性を考慮した熱-弾粘塑性体(岡ら, 応用力学論文集, Vol.6, pp.427-436, 2003)としてモデル化した。これにより、杭体の温度上昇による変形、地盤の温度変化に伴う熱粘塑性ひずみによる間隙圧変化および変形を再現することが可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
他の研究テーマにエフォートが集中したため、今年度の本研究へのエフォートが予定より少なくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度定式化した支配方程式をもとに、既存の不飽和熱-流体-力学連成解析コードに熱弾性、熱粘塑性を導入して拡張する。また拡張した解析手法を用いて、Lalouiら(Int. J. Numer. Anal. Meth. Geomech., 2006)の実証試験を条件を参考にし簡易な解析モデルを設定した解析を行う。杭頭自由条件で温度上昇のみ考慮したケースと、軸荷重と温度上昇を考慮したケースについて解析を実施する。地盤や杭の条件、温度・荷重条件を変化させて、杭基礎-地盤系の熱力学挙動に与える影響要因について検証し、基本的な知見を整理する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により海外および国内出張ができなかったため、旅費の支出がなかった。またワークステーションの購入は次年度に計画変更した。
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