2019 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of risk for fault reactivation and migration by means of sequential scratch test using core specimens
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19K04603
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| Research Institution | Nihon University |
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Principal Investigator |
竹村 貴人 日本大学, 文理学部, 教授 (30359591)
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2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 二酸化炭素地下貯留 / 断層破砕帯 / 断層再活動 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
断層の再活動メカニズムの解明とパラメータ取得方法を開発するためにスクラッチテストの装置を新規に開発に着手した．装置の基本部分となる下盤稼働型のせん断試験機を作成した．開発した装置では上盤が固定されており，垂直応力を負荷することができる．スクラッチテストでは引っ掻き用の治具を装着し連続的なデータの取得を行う．本年度はスクラッチテストの結果の比較検証を行うため，既存の測定方法で得られるパラメータの取得を行った．ここでパラメータは摩擦係数である．試料は二酸化炭素地下貯留の対象となり得る堆積岩類を用いて測定を行った．測定した摩擦係数は粉末，固体共に既往文献と近い値を得ることができた．次に既存断層の再活動時の透水性の変化メカニズムを解明するために，非排水状態でのせん断試を行った．実験は真三軸試験により行い，最大主応力を増加させることで断層を作成し，最小主応力に垂直，すなわち中間主応力に平行な方向の透水係数の測定を行った．ここで，測定した透水係数は断層面に対して平行な方向となる．実験に用いた試料はオーストラリアにおいて二酸化炭素地下貯留の原位置試験の行われているOtwayのボーリングコア試料のうち，泥岩，シルト岩，砂岩を用いた．その結果，岩種ごとで断層の形成に伴う透水係数の変化は異なっており，砂岩では母岩部の透水係数が高いことから断層が形成されても透水係数の変化は小さいが，シルト岩や泥岩はガウジを伴う断層が形成されるものの，母岩部と比べ高い透水係数となる破砕帯を伴うため，試料の透水係数としては初期状態と比べ透水係数は大きくなっている．このことから，断層の形成に伴いガウジが発達したとしていても流体移動は破砕帯を通じて断層面に平行な方向に起こりやすくなると考えられる．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画はおおむね順調に進んでいる，しかしながら，次年度に行う予定であるスクラッチテストの制作準備の計画において，年度末のコロナ禍の影響により海外からの部品供給が止まったことにより遅れが生じた．また，年度末のオーストラリア・キャンベラの協力研究者との打ち合わせもオーストラリア各都市のロックダウンの影響により訪問ができずに，試料に関する打ち合わせができなかった．今年度の計画はおおむね順調であるが，次年度以降に影響がでてくるものを考える．
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| Strategy for Future Research Activity |
断層を含む試料の連続的な推定一軸強度と摩擦係数の測定をスクラッチテストが行えるように試験機治具の改良を行う．また，試料は国内の断層運動によりダメージを受けた部分を含むコアを使用する予定である．また，試料は堆積岩類を用い炭酸塩鉱物量の測定を行い，摩擦係数との関係についても明らかにしていく計画である．また，再活動時の透水性の変化メカニズムについては，断層が再活動するために必要となる過剰間隙水圧について実験的に明らかにする予定である．また，今年度の実験でも明らかになったように，堆積岩において極端に摩擦係数の小さいカーボネイト層や層理面が断層再活動にどのような影響を与えるかについて実試料を用いて明らかにしていく予定である．
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| Causes of Carryover |
本研究計画で使用する予定であるスクラッチテスト試験機の上盤部分の治具の作成を行う予定ある．計画では年度末に作成予定であったが，海外からの部品供給に遅れが生じ年度内の作成が困難であると判断したため次年度での作成とした．
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Research Products
(2 results)
