2019 Fiscal Year Research-status Report
3次元データの活用による盛土の施工・維持管理技術の高度化と土工CIMの実装
Project/Area Number |
19K04605
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小林 泰三 立命館大学, 理工学部, 教授 (10380578)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | i-Construction / ICT / 土工 / 締固め |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、道路盛土等の土工構造物の維持管理技術およびICTを活用する情報化施工技術の高度化に資することを目的に、建設分野でも普及の進むUAV等のICT機器を活用した「盛土の3次元締固め管理手法」と「軟弱地盤における盛土の3次元安定管理・沈下管理手法」を構築するための研究に取り組んでいる。 2019年度には、ICT機器を活用した締固め管理の効率化・合理化の在り方のひとつとして、次の二つの新技術を発案した。すなわち、1)転圧前と転圧後の地形をUAVや3次元レーザスキャナ等を利用して3次元測量し、転圧前後の標高差分解析から転圧による圧縮量を求める技術と2)自動追尾式トータルステーションを活用して、振動ローラの3次元軌跡データから転圧による圧縮量を計測する技術である。いずれも、締固めによる密度増加率の空間的分布が求められるものであり、品質のデータ化やオペレータの施工判断支援のひとつとして応用できる可能性があると考えている。2019年度には、軟弱地盤上に築造される河川堤防盛土(実施工現場)の一区画を対象に、上記新技術の実証実験を実施し、そのフィージビリティを確認することができた。 締固め管理は、砂置換法やRI計器による密度管理(品質規定方式)が一般的であったが、近年、振動ローラの転圧回数を管理する工法規定方式を採用する現場が増えてきている。品質規定方式は、管理値を直接計測するものであるが、点の情報しか得られない。工法規定方式は、面・空間の評価ができるが、施工後の品質を直接計測するものではない。ここに提案する手法は、両者のウィークポイントを補完する管理技術になる可能性があると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた実験も実施することができ、かつ、その結果も良好である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度にもフィールド実験を実施し、更なるデータ蓄積を行っていきたい。また、本研究におけるもう一つの主テーマである「軟弱地盤における盛土の3次元安定管理・沈下管理技術の構築」についても検討を進めていきたい。当初は、1)盛土断面で評価する従来法(例えば松尾・川村法、双曲線法など)を3次元的に拡張した手法と、2)取得される3次元サーフェスデータや設計時のボーリングデータに基づいて地層構造・地盤パラメータを逆解析(データ同化手法の応用)し、安定性や沈下量を空間的に精度良く予測する手法の実現を目指すこととしていたが、2)の手法に軸足を置いて、研究を進めていきたい(2019年度には、逆解析を行うための基礎環境を整えた)。
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Causes of Carryover |
フィールド実証実験で計上していた経費が、予定していたよりも少額で実施できたことによる。翌年度の実験費用に使用する。
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Research Products
(2 results)