2020 Fiscal Year Research-status Report
3次元データの活用による盛土の施工・維持管理技術の高度化と土工CIMの実装
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19K04605
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小林 泰三 立命館大学, 理工学部, 教授 (10380578)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | i-Construction / ICT / 土工 / 締固め / 深層学習 / 逆解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度に引き続き,2020年度も実現場におけるフィールド実験を行う予定であったが,新型コロナ感染症まん延の影響で実現できなかった。2020年度は,過去に実施したフィールド実験のデータ等を活用しながら,主に次に述べるような机上検討を行った。 深層学習を用いた土の締固め品質評価に関する検討:盛土締固めの転圧によって地盤の剛性が増大すると締固め振動ローラ(振動輪)の振動波形が変化する。本研究では,その加速度応答の特徴量と地盤剛性をAI(深層学習)によって関連付けて,振動輪の加速度応答計測から締固めた地盤の剛性(地盤反力係数)をリアルタイムに評価する手法を提案した。 車輪の走行応答計測による地盤の剛性評価に関する検討:土の締固めの品質を直接的にかつ面的に評価できる手法として,車輪をけん引し,そのけん引力と沈下量を計測することによって,移動しながら連続的に地盤の剛性(地盤反力係数)を評価する手法を提案した。実車両への実装には至っていないが,単輪の剛性車輪走行実験装置を用いて室内模型実験を実施し,提案する評価手法の原理の妥当性を確認することができた。 3次元測量技術を活用した地盤構造の逆解析に関する検討:近年,建設現場への普及が進むUAVやレーザスキャナなどを用いた3次元測量技術に着目し,これらを観測ツールとした地盤構造の逆解析手法を提案した。本年度は,その基礎的研究として,完全弾性体を仮定した水平多層地盤の荷重載荷による沈下問題を例題に,広域・多点計測による地盤内部各層の弾性定数推定,および地層の層厚推定に関する机上検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナ感染症まん延の影響で予定していたフィールド実験が行えなかったが,過去の実験データを活用するなどして,提案する手法の妥当性検証などを進めることができた。机上検討が中心となったが,新しいアイデアなども生まれ,おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染症の影響は続くと予想されるが,2021年度にはフィールド実験を実現したいと考えている。具体的には,盛土現場などにおいて,実際の建設機械を使った実施工を行い,本研究で提案している締固めの品質管理手法(UAV/2DLS/自動追尾TSを用いる方法,深層学習を用いる方法など)の妥当性検証を行う。コロナ感染症のまん延が続き,万が一,フィールド実験が実現できなかったことも想定して,研究協力者へのデータ提供依頼や過去データの検索なども進めていく予定である。 また,平行して3次元測量技術を活用した地盤構造の逆解析に関する検討も進める。ここでは,軟弱(砂・粘土の互層地盤)への盛土による地盤の沈下を想定した室内模型実験を行い,地表面の変形観測から,砂・粘土の層厚逆推定の検証に取り組む。
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Causes of Carryover |
型コロナ感染症まん延の影響で予定していたフィールド実験が実施できなかったことによる。翌年度の実験費用等に使用する。
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