2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K04608
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
重松 宏明 石川工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (90353268)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 石炭灰 / 現地発生土 / 強度 / 変形 |
Outline of Annual Research Achievements |
火力発電所から毎年大量に排出される石炭灰の地盤工学的有効活用を目的に,石炭灰を適量混ぜ合わせることによって現地発生土の物理的な改質を図り,これに固化材を組み合わせ,どの程度の安定処理効果が見込めるのかを把握することにした.そのために先ず,異なる混合率で石炭灰を混ぜ合わせた土試料(石炭灰混合土)に対して各種物理試験を行い,石炭灰混合によって土の物理的性質(粒度,コンシステンシー,締固め特性)がどのように変化するのかを調べた.その後,石炭灰混合に所定量の固化材を混ぜ合わせて作製した供試体に対して一連の力学試験を実施し,どの程度の強度発現効果が見込めるのかを検証した.以下に,本研究で得られた知見をまとめる.
(1)砂質土を対象処理土とした場合では,消石灰未混入も含め,養生7日,28日ともに,石炭灰混合率の増加に伴って強度は上昇した.さらに消石灰を組み合わせることによって,石炭灰混合率の増加に伴う強度発現効果は著しく上昇し,石炭灰混合率20%以上で必要強度(=320kN/m2)を上回った.しかしながら,養生7日と28日の間には明瞭な強度の差は認められないことから,長期養生における硬化反応はそれほど期待できないと思われる.変形特性についても同様の傾向を示した.
(2)粘性土を処理対象土とした場合では,砂質土を処理対象土とした場合よりも強度は高くなったものの,石炭灰混合率の増加に伴う強度増大は認められなかった.変形特性についても同様の傾向を示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2種類の現地発生土(粘性土および砂質土)を対象にした石炭灰混合土に対して,ほぼすべての力学試験を実施することができた.一連の室内実験については,一部の追加実験を残すのみである.
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Strategy for Future Research Activity |
石炭灰混合土の力学特性については,一連の室内実験の結果から概ね把握することができた.今後は石炭灰混合土に対して,X線回折分析や電子顕微鏡観察などを実施し,化学的な視点および微視的な視点からも石炭灰混合土の強度発現メカニズムを解明していきたい.
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Causes of Carryover |
補助事業の目的をより精緻に達成するために,追加の再現実験を実施する必要がある。また,本研究の成果を土木学会、日本材料学会、地盤工学会等に投稿し発表する予定である。
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Research Products
(1 results)