2019 Fiscal Year Research-status Report
Earthquake-resistant measures for reclaimed residensial land by the micro-cement injection method
Project/Area Number |
19K04609
|
Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
鍋島 康之 明石工業高等専門学校, 都市システム工学科, 教授 (40263214)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 極超微粒子セメント / 地盤改良 / 浸透特性 / セメント注入 / 液状化対策 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,地震時の液状化対策として,砂質土地盤へ極超微粒子セメントを自然状態で注入することを想定し,定量ポンプ等による圧力をかけない場合における極超微粒子セメントの浸透特性について実際の砂質試料を用いて検討を行った。 試験方法としては,極超微粒子セメントを水セメント比800%でセメントミルク状にしたものを飽和した砂質試料に圧力をかけずに浸透させた場合の浸透機構について,長さ500mmのカラムを用いた浸透注入試験をもとに検討した。 その結果,乾燥状態の砂質土への浸透注入試験と同じく,圧力をかけない状態においても500mmのカラムを数秒で浸透注入することができ,非常に高い浸透性能が確認できた。ただし,乾燥状態の砂質土においては極超微粒子セメントは,均等に浸透注入することができ,カラム全体に対して一様に浸透注入することが可能であったが,飽和した砂質土地盤内では極超微粒子セメントは一様には浸透注入することができず,500mmのカラム内でばらつきが見られた。特に浸透距離が長くなるほど極超微粒子セメントがカラム先端まで十分に浸透注入することができなかった。これは,セメント固化後にカラムを切断し,固化した砂質土試料の強度について土壌硬度計を用いて確認した結果,同じ切断面内でも中心部と周辺部で強度にばらつきが見られた。これらのことから,圧力をかけずに自然状態で浸透注入させた場合,浸透距離が長くなるほど改良効果にばらつきが生じ,液状化対策の効果が小さくなることが明らかとなった。この原因として,極超微粒子セメントが砂質土試料内でブリージングを起こし,間隙内で目詰まりが生じたことが考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,飽和した砂質土に対する極超微粒子セメントのカラム試験を実施し,極超微粒子セメントの浸透注入特性に関する試験結果が得られ,乾燥状態の砂質土を用いたカラム試験の結果と比較することができた。ただし,試験結果についてはより詳細な検討が必要なため,引き続き極超微粒子セメントの浸透注入特性について実験等で解明を進める。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は予定通り大型土槽を用いて飽和状態の砂質土地盤に極超微粒子セメントを浸透注入する実験を実施する。大型土槽については改良を加え,作業効率が向上するよう工夫を行う。特に昨年度のカラム試験から得られた飽和状態の砂質土試料を用いて浸透注入特性を改良する方法についても引き続き検討を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
昨年度,極超微粒子セメントの浸透注入試験を行うため,大型土槽を製作・購入したがその際に設計を見直し,汎用的な土槽から機能を特化させたため,当初予算よりも安価に製作することができ差額が生じたが,今年度は予定通り大型土槽を用いた実験を実施できる見通しが立っている。
|