2019 Fiscal Year Research-status Report
Estimating of unstationary IDFA curve by using d4PDF dataset
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19K04613
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
葛葉 泰久 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (50373220)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | IDFAカーヴ / 降水量の極値 / 適合度評価 / 時空間平均降水量 / 確率分布 / 河川計画 / 治水計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
【具体的内容】(1)本研究では,豪雨のI(時空間平均降水量),D(降水継続時間),F(確率規模),A(面積)の関係を求める.d4PDFデータを用いることにより,データの母集団を用いた全数調査を行うことができると仮定しており,また,データの数が多い(一地点について,3,000年分のデータがあることになる)ので,直接ノンパラメトリックな手法により,確率規模を求めることができる.計画では,本年「IDFAカーヴの獲得」と「定常性の確認」を,2か年計画の1年目として実施することとなっていた.本年度,予定通りIDFAカーヴ獲得の手法については完成した.ただし,本邦領土上のすべてに地点において(実際は,離散的に考えて,851カ所の地点で)IDFAカーブを求めることになり,非常に時間がかかる.d4PDFは3,000個のデータを持つが,これは60年分のデータを持つ,50個のメンバを解析対象とするからである.令和2年4月30日現在で,10メンバのデータ処理が終わったところである.令和2年度中にはデータ処理が終了し,当初の予定通り,本邦領土上をカヴァーするIDFAカーヴを獲得する.(2)上述の非定常性の検討も行ったが,詳細は省く.(3)上述のように,大量のデータを用いて「ノンパラメトリックな解析」を行うことを特徴としているが,3,000個のデータを用いた解析を完成させるためには,極めて時間がかかるため,10メンバ程度(600個のデータ)を用いた解析も並行して行った.その際に,分布形を選定する「パラメトリックな手法」に頼らざるを得ない.そのため,「分布形選定のための適合度評価法」についても詳細な検討を行った.
【意義】【重要性】 現在,かなりおおざっぱな手法で「〇年確率降雨」が求められ,治水計画が立案されているが,本研究が完成すれば,より精緻な河川計画策定が可能になり,より多くの人命を救えることになる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記したように,研究の主な部分は「2年で完成」の予定であり,令和元年度には,「2年分の半分以上」が完成したと考えられるからである.特に,「IDFAカーヴの獲得」部分は,「理論の構築」と「実際のデータ処理」に分けられ,前者は終了したと考えられる.後者の「データ処理」は,大量のデータを扱うために,かなり時間がかかっている(50メンバのうち,10メンバの処理が終わった段階である)が,総合的に考えて,研究計画の50%程度が終了していると考える. さらに,「適合度評価の手法」については,かなり検討を行い,その結果を「水文・水資源ハンドブック」という辞書的書物の原稿として投稿しており,完成度は予定以上と考える. さらに,「定常性の検討」については,これもおおむね50%程度の検討が終わっていると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
特にIDFAカーヴの獲得について,令和2年度中にデータ解析を終えられるように,粛々と計算を行う予定である.その他の部分については,「論文作成」に注力する予定である.
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Causes of Carryover |
とくに進捗状況が悪かったわけではなく,計画は予定通り進んでいる.しかし,PC類の購入は,できるだけ後ろにもって行った方が,新しく性能が良いものが購入できる.そういう観点から,購入時期を先送りしたものがあり,そのために次年度使用額が生じたものである.
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Research Products
(1 results)