2019 Fiscal Year Research-status Report
ダンプトラックプローブカーデータを用いた運搬排雪計画策定支援技法の開発
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19K04633
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岸 邦宏 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (60312386)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 運搬排雪 / ETC2.0 / ダンプトラック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は効率的な運搬排雪システムを構築することを目的とする.具体的には,以下の点に着目した運搬排雪の意思決定支援技法を開発するものである.①中間雪堆積場を考慮した運搬排雪計画策定技法の構築,②ダンプトラックプローブデータを活用した運搬排雪時期決定支援技法の構築 そのために令和元年度は,ETC2.0車載器をダンプトラックに装備し,ダンプトラックプローブデータを分析した.ダンプトラックの排雪作業場所と雪堆積場との間の所要時間,速度等を分析することで,ダンプトラックの挙動を明らかにすることを試みた.結果として,年間のダンプトラックの移動データの取得はできたが,積雪量が極端に少なかった年で,運搬排雪作業が研究対象路線でも1度しか行われなかったことから,十分なデータを得ることができなかった.また,中間雪堆積場を考慮した運搬排雪計画策定技法のモデルの検討を行った.現状での運搬排雪は,排雪作業場所から雪堆積場へ運搬されるが,作業の所要時間やダンプトラックの必要台数は,作業場所から雪堆積場までの距離が大きな要因となる.本研究では廃棄物処理の仮置き場の概念を援用し,公園等の空き地を活用した中間雪堆積場を考慮した運搬排雪計画策定技法を構築するために,令和元年度はモデルケースとして,中間雪堆積場を導入した場合の効果をシミュレーションした.結果として,作業場所から近いところに中間雪堆積場を導入することによって,ダンプトラックが同じ台数ならば作業時間の短縮,作業時間が同じとするならば,ダンプトラックの必要台数を少なくできることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
やや遅れている,とした理由は,令和元年度は極端に積雪量が少なかったため,運搬排雪が1度しか行われなかったことによる.ETC2.0によるダンプトラックの移動のデータは取得できたが,データ取得対象としたダンプトラックが必ずしも運搬排雪作業に関わったわけではないので,運搬排雪作業中のデータが少なかったことで,十分な分析ができなかった.また,冬期の積雪による交通状況の悪化もほどんど見られなかったので,研究計画で見込んでいた分析ができなかった.これらについては引き続き令和2年度で分析を継続する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は以下の点について研究を進める予定である.合わせて,令和元年度に取得できたデータが本来の目的に使えないため,継続して今年度もデータ取得をする予定である. ①運搬排雪計画策定モデルの検証 ETC2.0ダンプトラックプローブデータを用いて,理論的に構築した運搬排雪計画策定モデルの妥当性を検証する.モデルは実用レベルに達するように分析に応じて修正,改善する. ②ダンプトラックプローブデータを活用した運搬排雪時期決定支援技法の構築 ETC2.0ダンプトラックプローブデータから道路状況を推定するモデルを構築し,どのタイミングで運搬排雪を実施すべきかを明らかにするモデルを構築する.
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