2019 Fiscal Year Research-status Report
Possibility of Traffic Control using Moving Light Guide System under the Mixed Condition of Autonomous Vehicles
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19K04642
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小根山 裕之 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (90313105)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自動運転車 / 手動運転車 / ACC車 / 混在状態 / 移動発光体 / ドライビングシミュレータ / 追従積み重ね実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在,自動運転社会の実現に向けた様々な取り組みが進んでいる.しかし,暫くの期間,自動運転車と人間が運転する手動運転車との混在状態が続くことが想定される.その間,交通渋滞に至る直前の状態においては人間の運転挙動がブレイクダウンの引き金になるなど,混在状態下においても人間の運転挙動の適正化が重要になると考えられるが,これに対して移動発光体の活用が期待できる. 本研究の目的は,自動運転車両と人間が運転する車両の混在状態下における,移動発光体による運転挙動への影響(非渋滞流における車両の追従挙動,渋滞流からの車両の発進挙動など),および,混在状態下における移動発光体による運転挙動への影響を前提とした場合の,マクロな交通流状態の変化に関する影響を明らかにすることである. 2019年度は,非渋滞流を対象として,ドライビングシミュレータを用いた追従積み重ね実験を行った.具体的には,先行車すべての走行記録を前方に描写し,それらに後続車を追従させることにより交通流を作成した.その際,先頭2台はACC車2台,または手動2台の固定とし,その後にACC車混在率,発光の有無,移動発光体速度の異なる条件で,複数のACC車,手動運転車の組み合わせを設定した.なお,ACC車は追従モデルに従って走行し,速度調整を自動で行うものとした. その結果,手動運転車のみの場合には移動発光体の運用が車頭時間の短縮をもたらすとは限らない一方,移動発光体点灯はACC車混在時の方が有意に車頭時間短縮をもたらす結果を得た.このことは,ACC車混在時の手動運転車の影響を移動発光体が軽減しうる可能性を示す結果で,極めて興味深い.ACC車の混入により交通流が安定し,手動運転車が移動発光体に注目しやすくなることが要因の一つと想定されるが,今後の原因究明に向けた調査が必要である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度の当初予定は,非渋滞流を対象としたドライビングシミュレータによる追従積み重ね実験を行い,混在状態下における移動発光体有無による手動運転車の挙動の違いを明らかにすることであった.研究成果としてはほぼ想定通りの研究を実施することができ,移動発光体点灯はACC車混在時の方が有意に車頭時間短縮をもたらすという非常に興味深い結果を得られた.これらの研究進捗状況及び得られた結果から,次年度以降も当初計画通りに研究を進捗できる見通しが立っていることから,おおむね順調に進展していると判断している.なお,得られた結果の要因については解明に向けた検討が必要である.一部,2019年度の実験で取得したデータのうち手が付けられなかったもの(視線データや生体データ)が活用可能であることから,次年度引き続き解析を行う予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度の研究により非渋滞流を対象としたドライビングシミュレータによる追従積み重ね実験を行い,移動発光体点灯はACC車混在時の方が有意に車頭時間短縮をもたらすという非常に興味深い結果を得られた.一方,この結果の要因については解明に向けた検討が必要であるが,2019年度の実験で取得したデータのうち,視線データや生体データの解析がまだ実施されていないことから,これらを活用しつつ要因解明に向けた解析を行う.一方,これらの分析についてはサンプル数が少ないことによる結果の不確実性も見られることから,サンプル数の増加に向けてドライビングシミュレータ実験の実施を継続的に行う予定である.さらに,渋滞流を対象とした実験についても予定通り2021年度に実験が実施できるよう準備を進める.
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