2020 Fiscal Year Research-status Report
来街者による都心回遊行動モデルの構築-回遊行動の誘発と回遊空間の広域化を考慮して
Project/Area Number |
19K04646
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
寺山 一輝 石川工業高等専門学校, 環境都市工学科, 講師 (50780897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 通泰 神戸大学, 海事科学研究科, 名誉教授 (00115817)
田中 康仁 流通科学大学, 商学部, 准教授 (50321485)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 都心商業地域 / 回遊行動モデル / 活動計画 / 中心街地の活性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
都心商業地域の賑わいを創出するためには,来街者の事前の活動計画からの変更挙動を考慮すること,および多様なモビリティが利用できることが重要である.本研究では,これらの視点を考慮した回遊行動モデルを開発することを目的としている.なお,研究対象地域として神戸市都心部を取り上げた. 過年度は,まず,ネスティッドロジットモデルを適用して,回遊の継続・帰宅の選択,事前活動計画からの変更の有無の選択モデルを構築した.その結果,施設の立地状況によって,事前計画から変更する確率が異なることが明らかとなった.また,GPSデータを用いて,循環型バスの利用の有無別に回遊行動の特性を分析した.その結果,循環型バスサービスを利用することによって,訪問箇所数・滞在時間が増加することを示した. 本年度は,自宅での計画店舗数の決定モデル,回遊の継続(追加・計画)・帰宅,活動内容,目的地,滞在時間の選択からなる回遊行動モデルのフレームワークを提案し,これらのモデルを構築した.その結果,変更挙動を考慮した来街者の回遊行動を再現することが可能となった.また,GPSデータについては,移動と滞在の判別を行い,トリップチェインデータを作成した.さらに交通手段の判別モデルを構築することによって,トリップチェインデータに利用交通手段を付加した.交通手段の組合せパターン別に回遊行動特性を分析した結果,徒歩に公共交通を組合わせることによって来街者の活動空間が広域化することが明らかとなった.また,この影響は高齢者において顕著な効果があることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
事前活動計画からの変更挙動を考慮した回遊行動モデルを構築することができた.しかし,サンプル数が十分に確保されておらず,モデルの精度に課題が残される.そのため,追加調査を検討していたが,感染症の影響で現地にて調査を実施することができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は,感染症対策を十分に行った上で,対象地域において追加のアンケート調査およびGPS調査を実施する予定である.そして,サンプル数を確保した上で既に構築している回遊行動モデルの精度を高め,それを用いて政策シミュレーションを実施する.また,GPSデータを用いて,マルチモーダルを考慮した経路選択モデルを構築し,公共交通サービスが回遊行動の広域化に及ぼす影響を検証する.
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Causes of Carryover |
感染症の流行により,研究対象地域である神戸市中央区でのアンケート調査およびGPS調査を実施することができなかった.また,研究打ち合わせや学会発表もオンラインによる開催によって旅費を計上することができなかった.さらに,発表予定であった国際会議もすべて中止となり,海外への旅費や参加費なども計上できていない.そのために次年度の使用額が生じた. 本年度は,感染症対策を十分に講じた上で,昨年度未実施であった対象地域でのアンケート調査およびGPS調査を実施する予定である.また,昨年度十分に実施できなかった研究打ち合わせを行う予定である.また,オンライン開催の国際会議での発表を予定している.
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