2019 Fiscal Year Research-status Report
GPSデータを用いたタクシーの運行効率向上とそれに伴う需要増加の可能性
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19K04650
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
佐野 可寸志 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (00215881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 光昭 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (40795176)
鳩山 紀一郎 長岡技術科学大学, 産学融合トップランナー養成センター, 特任准教授 (60361523)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | GPS / タクシー / 共同配車 / 公共交通 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,GPSデータを用いた利用実態分析,タクシー配車アルゴリズムの改良,利用者実態調査を実施した. 地方都市におけるタクシー需要 は,一般的には時間的・空間的にも疎であるが, 特定の時間帯や場所では需要が比較的密である場合も想定される.そこで,長岡市内で運行するタクシーのGPSデータを用いて,季節,月, 曜日,時間帯,天候,鉄道・バス路線の有無等による利用実態の相違を把握するとともに,運行実態を可視化し,比較的需要が密である時間帯や場所を把握した.また,配車時刻と予約を受けた時刻を分析し,事前予約が可能なトリップの特徴や,その割合を定量的に把握した. 現在開発済みの時刻制約(Time Window)付き集配送計画問題を解くプログラムを, タクシーの配車問題に適用し,必要タクシー台数と,各タクシーへ割り当てられる顧客リストと,その巡回ルートと費用を出力するアルゴリズムを開発した.当該会社の436トリップを対象とした計算では,ほぼ最適な結果を出力することができた.ある一日の長岡市全体のタクシー需要と仮定し,タクシー会社が共同で配車するという前提で,どの程度費用が削減されるかを検討した.結果として,事前予約が100%という非常に理想的な状態では費用が約1/3削減され,さらに共同配車事業が導入された場合は費用が約半分に削減される可能性を確認した. また,長岡市に居住する人を対象として普段の外出行動およびそれに対する予約タクシーの利用意向についてアンケート調査を行った.利用意向を分析を行い,既存タクシー,前日予約タクシー,相乗りタクシーの3つの場合に割引率に応じた長岡地区の需要を推測した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は予定通り進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
利用者並びに潜在的利用者に対するアンケート調査,相乗りを含むタクシー需要の推計, タクシー運行効率化施策の評価を行う. タクシー利用者を対象に,事前予約の可能性や,事前に予約した場合に受け取りたい 割引額,相乗りの意向等に関するアンケートを実施する.アンケートはタクシー会社に ご協力頂き,車内配布・郵送回収で実施する.また,タクシーの潜在的利用者を対象に, GPSデータを用いた利用実態分析で明らかになったトリップ目的地<病院,駅,スーパ ー等>において,利用交通手段,相乗りを含めたタクシーに対する支払い意志額を,イ ンタビュー形式で聞き取り調査する. アンケート調査をもとに,トリップ目的別に,個人属性や他の交通機関とのサービス レベルの差を変数とする交通機関選択モデルを構築する.このモデルにマイクロシミュ レーション手法を適用し,相乗りを含む新たなタクシー需要を推計する.需要の増加は, さらなる生産性の向上と運賃の低下に繋がり,それがまた需要の増加に繋がるという構 造を明示的に取り扱う. タクシーの運行効率化施策としては,①事前予約システムの導入,②長岡市内共同配 車システムの導入,③相乗りシステムの導入の3つの施策が考え得る.これらの組合せに 対して,総輸送人員,総輸送コスト,運賃,事業所並びにドライバーの収入増加額等を 評価基準として,各施策の組合せを評価する.
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Causes of Carryover |
旅費が総定額よりも大きく下回った.アンケート調査数を増やし,より精度の良い結果を得るつもりである.
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