2021 Fiscal Year Annual Research Report
Redesign of sewage treatment plant by using energy-crops cultivation and biogas production from their biomass
Project/Area Number |
19K04663
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
遠山 忠 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60431392)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 下水 / バイオマス / 資源化 / 創エネルギ― / ウキクサ / 微細藻類 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、下水資源を利用したバイオマス生産と、生産されたバイオマスの嫌気性消化によるバイオガス生産を一体化したシステムを構築して実証試験を行った。 山梨県内の下水処理場の下水(最初沈殿池越流水)および下水処理水(活性汚泥プロセス後の処理水)を用いてウキクサと微細藻類を栽培した結果、下水からは有機物と窒素が効率的に除去され、また、下水処理水からは窒素が効率的に除去された。同時に、ウキクサおよび微細藻類のバイオマスが効率的に生産された。下水処理水に比べて、下水を用いた場合の方が窒素除去速度とバイオマス生産速度が高くなった。このことから比較的高濃度の窒素を含む下水の方がウキクサと微細藻類培養には適しているものと考えられた。また、ウキクサや微細藻類培養は、活性汚泥後の高度処理としての利用だけでなく、最初沈殿池越流水を対象とした二次処理としても利用可能であることが明らかとなった。 続いて、生産されたバイオマスを回収して嫌気性消化を行ったところ、非常に高い収率でメタンガスが発生した。具体的には2週間の滞留時間で分解率が70%を上回り、発生したバイオガス中のメタン濃度は65%、メタン生産収率は400 NL CH4/kg VS程度となった。 これらの結果を基にして、実際の下水処理場規模において、ウキクサや微細藻類の栽培によって二次処理の一部を代替することによるエネルギー削減量、生産されたウキクサや微細藻類バイオマスの嫌気性消化によるエネルギー生産量を試算し、このシステムの脱炭素効果とエネルギ―収支について考察した。
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