2021 Fiscal Year Research-status Report
UAVリモートセンシングによる干潟底生藻類及び熱環境の面的モニタリング手法の開発
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19K04669
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| Research Institution | Tokai University |
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Principal Investigator |
仁木 将人 東海大学, 海洋学部, 教授 (30408033)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 茂 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40303911)
田中 昭彦 東海大学, 清水教養教育センター, 准教授 (00758005)
丹 佑之 東海大学, 清水教養教育センター, 講師 (90770909)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | UAV / 干潟 / リモートセンシング / 底生珪藻 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、干潟における底生珪藻の分布に関して、UAVリモートセンシング技術による広域観測手法の開発と適用である。面的な観測を可能とする観測機器の開発に関して、昨年度までは、独自開発した多波長分光カメラを使用して、干潟域での底生珪藻観測の検証を進めた。開発したカメラにより取得した観測結果から正規化差植生指数（NDVI）のような従来干潟での同様な観測で使用されている植生指数に関して採泥土のクロロフィルa量との間に相関性を見いだしていた。しかし、2020年度はコロナ禍の影響で観測がままならず、既存の観測結果の再解析に終始したが、データ解析の過程で、開発したカメラの取得画像の解析手法の自動化や地図化のためのアプリケーションソフトの開発に課題を感じていた。
一方で、近年農業利用のためのドローンが開発されるようになったが、そのようなドローンの中に、特定の波長ごとに撮影するマルチスペクトルカメラを搭載したモデルが登場するようになった。農業用のため、植物の活性に対応したバンドの撮影を行えるほか、撮影画像から植生指数の算出や、地図化が行えるアプリケーションソフトを備えている。2021年度は開発したカメラをドローンに登載するべくドローンの購入を企画したが、現状の課題を解決するため、DJI社が販売するマルチスペクトルカメラを搭載したP4 Multispectralが、を購入することとした。
購入したマルチスペクトルカメラ搭載ドローンの干潟現地での観測手法の有効性に関して、コロナ感染ピークが過ぎた9月以降に2度の現地でのドローンによる撮影と、採泥を行った。採泥結果は持ち帰り後、クロロフィルa量の計測を行い、撮影画像からNDVIを求め相関関係を求めた。その結果、撮影画像から得られるNDVI値は基質の湿潤や、基盤の影響をうけており、そうした影響を排除したデータで相関が見られた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画2年目の2020年度は、コロナウイルス蔓延の影響もあり、特に、干潟の観測に適した春から夏にかけての時期に現地干潟での観測が全く行えない状況となった。そのため2020年度は手持ちのデータの再解析に時間を使い、改善点を見いだした。また、画像処理に関して、作業のオートメーション化を行おうとしたが、開発機器の特性から、完全な処理の自動化が難しいことが確認された。そこで、2021年度は、独自開発のカメラにこだわらず、撮影画像の処理までが行える市販機器の活用を検討した。その結果、予算の範囲内で、DJI社が販売するマルチスペクトルカメラを搭載したP4 Multispectralの購入が可能であることが分かったためこの機種を購入することとした。購入後直ちに現地での観測を行いたかったが、対象とする干潟の観測に適した初夏から初秋にかけての時期には、2021年はオリンピックやその後の時期にコロナウイルスの感染拡大があり、初めての観測が9月下旬となった。観測ではドローンによる撮影と平行して、採泥と、採泥地点の記録を行ったが、撮影が初めてなこともあり予定量をこなすことが出来なかった。日中干潟が干出する10月上旬までの間に再度撮影のため現地を訪問したが、干出時間が短く、十分なデータが取得できなかった。しかし、得られたデータから、NDVI値の抽出や採泥結果との相関に関する検討を行い、課題の整理を行った。
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| Strategy for Future Research Activity |
2021年度はUAVを使用するリモートセンシング技術による干潟底生珪藻の広域観測手法適用の第一歩となる現地観測を実施した。コロナ禍の影響で2度の実施にとどまり、晩夏から初秋の時期であるため観測時間も短く、現地観測から得られたサンプル数は少ないかったものの、撮影手法の確立や、現地で取得すべきデータの理解が進んだ。2022年度は、対象とする干潟が潮干狩り場として営業するため観測が困難な7月までの間は、近隣の海岸で、海浜植物や藻場を対象に、UAVによる撮影を行い、撮影技術の向上と、解析システムへの精通を図る。また、これまで得られているデータの再解析をすすめるとともに、基質の変化に対応する解析方法に関して検討を行う。8月以降、現地での撮影及び採泥を複数回実施し、データの確保に努める。これまでの結果、撮影画像から得られるNDVI値は基質の湿潤や、基盤の影響をうけており、そうした影響を排除したデータで相関が見られたことから、底泥の含水比や粒径の影響に関する検討を行うためのサンプリングも合わせて行う。得られた結果から、底生珪藻の面的分布傾向を反映する適切な解析手法の確立を行う。
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| Causes of Carryover |
観測を企画していた8月にコロナウイルス蔓延（第5波）の影響により、現地観測が思ったように進まず、次年度使用額が生じた。観測態勢が整ったため研究期間を延長し行えなかった観測をすすめ当初の予定を達成する。
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Research Products
(2 results)
