2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of Verification Method of Accommodating Performance to Seismic Displacement for Various Interior and Exterior Wall Panel of Wooden Houses
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19K04686
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
中尾 方人 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 特別研究教員 (60323937)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 木造住宅 / 内外装材 / 層間変位追従性能 / 接合具 |
Outline of Annual Research Achievements |
大地震時における木造住宅の最大の層間変形角は1/30rad程度であるが、このとき、内外装材が躯体に追従し、脱落しないかどうかは十分検証されていない。外装材が脱落した場合は、通行人などに人的な被害が生じ、また、地震後の火災が短時間で延焼する可能性が高くなる。内装材についても、脱落した場合には、人的な被害や避難経路を閉ざしてしまう懸念もある。木造住宅における内外装材は種類が多く、その躯体への留め付け方法は多種多様であり、分類や整理はなされていない。また、木造住宅における内外装材は、構造躯体に緊結されるため、緊結に使われる釘や木ねじ、ステープルといった接合具には高い変形能力が要求されていることになるが、そのことは、一般には認識されておらず、実験的な検証もあまり行われていない。本研究では、小規模な木造住宅を対象として、こうした内外装材の大地震時の脱落の有無を検証する手法(層間変位追従性能の検証法)を開発することを目的とする。2019年度に実施した内容は以下のとおりである。 [ 1 ] 各種内外装材の留め付け方法の調査 小規模木造住宅を対象に、窯業系サイディング、ラスモルタル、石こうボードについて、留め付け方法や留め付けに用いる接合具を整理した。また、これらの内外装材の地震時の被害状況を確認した。 [ 2 ] 接合具試験のパラメータ整理と試験の実施、結果の取りまとめ 上記[1]で確認した釘や木ねじ、ステープルについて、引抜き試験や一面せん断試験を実施した。また、内外装材の層間変位追従性能の検証に適した試験結果の評価法を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度に予定していた検討は概ね実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度以降は、接合具の引抜きおよびせん断試験を追加で実施し、荷重-変位関係をデータベース化する。そして、そのデータベースを利用して、地震時における内外装材の層間変位追従性能の検証法を開発、提案する。提案した検証法の妥当性は、内外装材を張った実物大の壁試験体のせん断加力実験により確認する。また、本研究の応用として、中・高層建築物のカーテンウォールのように、スウェイやロッキングが可能な外装材支持金物も開発する予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度において、接合具の引抜きおよびせん断試験は全て終了しなかったため、2020年度に残りを実施する予定である。2019年度の未使用額は、2020年度の試験で使用する予定である。
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