2023 Fiscal Year Research-status Report
副産粉体の新たな価値創出に向けたフライアッシュコンクリートの流動性向上メカニズム
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19K04693
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
伊藤 是清 東海大学, 文理融合学部, 教授 (50380663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 智幸 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (50215430)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | フライアッシュ / 石炭灰 / コンクリート / 混和材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,フライアッシュおよびフライアッシュ以外の無機粉体として石灰石微粉末を用いてスラリーを作成し,昨年度に引き続きスラリーの撹拌に伴う各種物性の変化とペーストフローとの関係について検討した。 1.スラリーからの遠心分離による脱水量の経時変化:フライアッシュを使用した場合,これまでと同様に,スラリーからの脱水量はスラリーの撹拌時間が長いものほど多くなり,また,スラリーをペーストに混合した場合のフロー値もスラリーの撹拌時間が長いほど増加した。一方,石灰石微粉末を用いた場合では,スラリーの撹拌による脱水量およびペーストフローの増加は認められなかった。これらの結果より,スラリー化によるコンクリートの流動性向上効果はスラリーに用いる粉体の種類で異なることが分かり,また,スラリーからの脱水量は流動性向上効果の指標となることがより明確になった。 2.フライアッシュの粒度分布の経時変化:粉体の種類(フライアッシュ,石灰石微粉末)にかかわらず,スラリーの撹拌に伴い粗大側の粒子が減少し,小径側の粒子が増加した。 3.フライアッシュ粒子表面の電気化学的変化および液相の化学的変化:スラリーのゼータ電位はスラリーの撹拌に伴い変化はしているものの,撹拌時間やペーストフローとの関係は明確ではなかった。スラリーの電気伝導度は,フライアッシュのスラリーでは,撹拌日数0日(5分間水と撹拌したもの)の電気伝導度が大きいものほど,撹拌に伴う電気伝導度の変化が大きくなる傾向が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染症の影響により,予定していた実験を十分に行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,これまでの実験で使用した副産粉体のスラリー試料を用い,スラリーの撹拌が粒子表面の物理的変化に及ぼす影響(電子顕微鏡による粒子形状の観察・分析等)を中心に検討し,副産粉体のスラリー化に伴うコンクリートの流動性向上効果のメカニズムに関する仮説を検証する。
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Causes of Carryover |
(理由)消耗品費,旅費(学会等),分析費,人件費の支出の一部が,コロナ感染症の影響により計画通りに進まなかったため。 (使用計画)次年度に,本年度の当初計画で実行できなかった実験の費用として使用する。
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