2020 Fiscal Year Research-status Report
地盤の影響を考慮した杭基礎の大地震後の残存軸耐力の評価方法
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19K04698
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| Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
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Principal Investigator |
金子 治 広島工業大学, 工学部, 教授 (80824135)
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2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 杭基礎 / 残存軸耐力 / 支持力 / 2次設計 / 耐震診断 / 模型実験 / 有限要素法 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に基づいて，杭の残存軸耐力を検討するための載荷実験およびシミュレーション解析を実施した．ただし，載荷実験は載荷方法の制御および計測器機器の精度確保を考慮して，現場実験ではなく室内大型土槽を用い，現場で計画していたものとほぼ同規模の実験を実施した．
実験は，土槽内に所定の密度の地盤を作製した上で，埋め込んだ杭および基礎スラブに対し，油圧ジャッキにより荷重あるいは鉛直変位を制御しながら載荷し，杭の破損前と破損後の荷重の分担および変位について計測を行った．ここで，杭は鋼管を用い，地震による破損を模擬するために断面の1/2を欠損させた杭を半数とし，破損させる杭の配置を変えたケースの実験を実施した．シミュレーション解析は，3次元有限要素法を用いて，載荷実験をシミュレートした上で，基礎スラブ形状や破損を想定した杭の配置および地盤定数をパラメータとした解析を実施した．
実験結果から半数の杭が破損したとしても地盤へ荷重負担が移行し，最終的に地盤の支持力を失わなければ，基礎構造全体では上部構造の転倒・崩壊に至らない状態を保つことができることを確認し，荷重負担の移行に伴う沈下および傾斜についてのデータを取得した．また，載荷試験のシミュレーション解析により実験地盤や杭体の材料定数を同定した上で，基礎スラブ形状や破損した杭配置が異なる場合の破損杭から地盤への荷重負担の移行過程についてパラメータ解析を行って，さまざまなケースでの杭と基礎スラブの荷重分担や沈下・傾斜量について把握した．
これらの実験および解析結果により，建物の過大な傾斜の可能性を判断するための杭が破損した後の地盤への荷重負担の移行のメカニズムを，「杭の残存軸耐力」として定量的に評価する手法の確立につながるデータを得た．
以上の成果について，日本建築学会大会中国支部研究発表会および全国大会，地盤工学研究発表会に投稿した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に基づいて，杭の残存軸耐力を検討するための載荷実験およびシミュレーション解析を実施し，杭が破損した後の地盤への荷重負担の移行のメカニズムに関するデータを取得することができた．引き続き，パラメータ解析を追加で行うとともに，杭体の要素実験も計画しており，これらをまとめることで本研究の目的である杭の残存軸耐力の評価手法を提案する予定である．
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験および解析により杭が破損した後の地盤（基礎スラブ）への荷重負担の移行のメカニズムに関するデータを得たことから，引き続き研究計画に基づいて，地盤や杭のパラメータを増やした解析を実施予定である．また，杭体自体の軸耐力（軸力保持性能）については十分解明されていないことから要素実験により検討する予定である．
さらに，最終年度のまとめとして，検討結果に基づいて，通常の杭の支持力に地盤への荷重負担の移行を考慮した杭の残存軸耐力を評価する手法を確立し，この評価法を基礎構造の大地震に対する耐震設計および耐震診断における限界状態の検討に適用することについて提案する予定である．
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Research Products
(6 results)
