2021 Fiscal Year Annual Research Report
Ultimate Strength and Structural Health Monitoring of Reinforced Concrete Pile Foundation
Project/Area Number |
19K04709
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
林 和宏 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (40725636)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 鉄筋コンクリート杭 / 終局強度 / 数値解析 / 受働土圧 / 実地震観測 / 損傷評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
鉄筋コンクリート杭を用いた基礎構造の終局耐力算定法と地震後の健全度評価法の提案に向けて、遠心場静的載荷実験を実施するとともに、実験結果を精度良く追跡する数値解析モデルを提案した。また、実大建物の実地震動を観測し、そのデータを自動で集約・評価するシステムを構築・運用した。 実験では大径のRC杭を対象とし、杭損傷を伴う飽和砂地盤-RC杭連成系の塑性変形挙動を検討した。杭模型断面は直径25mm(実大スケールで1.25m)で、降伏応力374MPaの主筋4本(径1.2mm)とモルタルから成り、せん断補強筋(径0.8mm)は5mmピッチのスパイラル配筋とした。地盤は豊浦乾燥砂を用い空中落下法で相対密度30~90%となるよう作成した。静的加力は50G場における水平1方向で、乾燥砂地盤-RC杭連成系実験モデルの杭頭部に正負交番漸増繰り返しで強制変位を与えた。実験モデルでは、杭模型が杭頭および地中部で曲げ破壊するケースと、杭頭部がせん断破壊するケースが見られた。 数値解析では、地盤の水平反力をばねモデルで、RC杭部材を梁要素でモデル化し、双方ともに非線形性を考慮した。解析結果は、地盤の水平反力ばねの算定にランキンの受働土圧を用いた場合、遠心場実験結果と比較して解析値が過小評価となる傾向を示した。特に、地盤反力が強非線形となる領域においては、実験値を40%前後低く評価するなど、その差は顕著であった。一方、クーロンの受働土圧に基づいた解析モデルは、実験値をやや過小評価するものの、その対応は比較的良好であることを確認した。 実地震観測では、関東圏で複数の実在建物に地震計を設置し、地震波形を観測した。直近では、令和4年2月1日に発生した神奈川県東部地震(マグニチュード3.8、最大観測震度3)の他、同3月16日に発生した福島県沖地震(マグニチュード7.4、最大観測震度6強)の記録が得られた。
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