2020 Fiscal Year Research-status Report
Study on energy saving methods for commercial store
Project/Area Number |
19K04727
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
李 時桓 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (60624997)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 開門冷房 / ドア開閉 / ショーウインドー / 漏気 / 伝熱負荷 / エネルギー損失 / 温熱環境 / エアカーテン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,開門営業,ドア開閉,顧客の出入りによるエネルギー損失量を定量的に解明し,商業施設における漏気負荷を効率的に抑制させる対策について検討することで,より効果的な省エネ設計・改修手法を提案することを目的とする。 令和1年度には,第1段階研究(文献調査・実態調査,商業施設の正面ファサードにおける熱損失特性)として(1)文献調査・実態調査,(2)ドア部から発生する漏気負荷の検討,(3)ショーウインドーから発生する伝熱負荷について検討した。特に,ドア部から発生する漏気負荷を定量的に検討するために,ドアの基本変数(ドア種類,面積),制御変数(ドア開閉頻度,開閉時間),外乱変数(室内外温度差,圧力差)などの条件変動によるパラメトリックスタディを行い,非定常条件での空気流動による漏気負荷を定量的に検討した。また,ショーウインドーの形態,店舗面積に対する面積比,ガラスの断熱特性などによる伝熱負荷を把握し,ガラスの断熱性能を向上させる技術(複層ガラス,Low-Eフィルム,ガス入りガラス,真空ガラスなど)について検討した。 令和2年度には,第2段階研究(商業施設における省エネ設計・改修技術の検討)として(1)エアカーテン及び回転ドアの設置による効果,(2)ショーウインドーの性能向上による効果について検討した。特に,店舗の運用実態(人や荷物の出入り頻度等)を反映したエネルギーシミュレーションを行い,漏気負荷の抑制効果がどの程度空調エネルギーの削減に寄与するのかを定量的に検討した。また,ガラスの断熱性能を入力条件としたエネルギーシミュレーションを行い,伝熱負荷の抑制効果がどの程度空調エネルギーの削減に寄与するのかを検討した。 以上の検討結果を研究成果物として,2019年に7編の論文を発表・掲載し,2020年には5編の論文を発表・掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に書かれた平成31年度(令和1年度)の研究計画・方はすべて達成されており,下記にその詳細を報告する。 (1)「文献調査・実態調査」では世界各国で行われている商業施設に関する研究報告書や調査レポートなどを参考にし,日本の商業施設に適する省エネ対策を検討した。(2)「商業施設の正面ファサードにおける熱損失特性:ドア部から発生する漏気負荷の検討」ではドア部から発生する漏気負荷を定量的に検討するために,ドアの基本変数(ドア種類,面積),制御変数(ドア開閉頻度,開閉時間),外乱変数(室内外温度差,圧力差)などの条件変動によるパラメトリックスタディを行った。(3)「商業施設の正面ファサードにおける熱損失特性:ショーウインドーから発生する伝熱負荷の検討」ではショーウインドーの形態,店舗面積に対する面積比,ガラスの断熱特性などによる伝熱負荷を把握するために,ガラスの断熱性能を向上させる技術(複層ガラス,Low-Eフィルム,ガス入りガラス,真空ガラスなど)について検討し,ショーウインドーに適用時の効果について明らかにした。 また,令和2年度の研究計画・方法は約70%達成されており、下記にその詳細を報告する。 (1)「エアカーテン及び回転ドアの設置による効果」では,店舗の運用実態(人や荷物の出入り頻度等)を反映したエネルギーシミュレーションを行い,漏気負荷の抑制効果がどの程度空調エネルギーの削減に寄与するのかを定量的に検討した。また,様々な設計変数(エアカーテンの吹出し流量や角度,風除室と回転ドアの大きさ等)および環境変数(室内外圧力差や外気風速等)についても検討している。(2)「ショーウインドーの性能向上による効果」では,ガラスの断熱性能を入力条件としてエネルギーシミュレーションを行い,伝熱負荷の抑制効果がどの程度空調エネルギーの削減に寄与するのかを検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は,研究計画書に書かれた平成33年度(令和3年度)の研究計画・方法に従って行う予定である。現在までの進捗状況を踏まえて本年度には,本研究の目的である商業施設における漏気負荷を効率的に抑制させるより効果的な省エネ設計・改修手法を提案する予定である。また,得られた研究成果は日本建築学会,空気調和・衛生工学会,室内環境学会などの論文発表会を通して公開する予定であり,国際会議(Ventilation 2022, CLIMA 2022など)にも参加して情報を公開した上,国際ジャーナルへ論文を投稿する計画を立てている。
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Research Products
(7 results)