2019 Fiscal Year Research-status Report
Improvement of thermal environment of gers for urban habitat in Ulaanbaatar aiming for emission reduction of air pollution from gers
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19K04730
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| Research Institution | Kyushu University |
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Principal Investigator |
萩島 理 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (60294980)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池谷 直樹 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (70628213)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 省エネルギー / 伝統建築 / 断熱改修 / 大気汚染 / 暖房負荷 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
ウランバートル市のゲル地区のゲルにおけるエネルギー消費及び大気汚染物質排出量を減少するための対策を検討するため、49戸のゲルを対象とした現地調査を行い、次の5点について分析を行った。(1) 建物条件：形状、サイズ、膜 (フェルト, 防水シート) の厚さ及び材質、(2) 建物工法：部材の製造方法や製造業者、流通販売状況、設置・組立方法、(3) 暖房手法：暖房器具及び燃料の種類、使用期間と時間帯、年間燃料消費量、(4) 暖房エネルギー消費量に関わる居住者行動：在室スケジュール、部屋の入退室（ドア開閉）の回数、室内での着衣量、寝具の種類、(5) ゲル居住者の室内環境に対する認識：冬季の室内温熱感、断熱改修や改良された暖房器具への関心及び購買意欲、現在の居住環境に対する満足度。
その結果、フェルトの張り替えを数年毎に行う場合があるというtemporalな住戸としてのゲルの特性を考慮し、断熱材をシートで被覆したパネルを室内側から固定するretrofitting手法を考案した。このパネルは輸送や設置の容易さを考慮して、室内側からラティス等の骨組みに固定、パネルは相互にマジックテープで固定する事でパネル間の漏気を防ぐ仕組みである。これに加え、組立式風除室の基本設計を行った。
更に、2020年冬の29日間、ゲル2戸にて、開発した断熱パネル及び風除室を試験施工し、住人が生活をしている状況での実証テストを行った。期間中は室内温湿度や屋外気象条件を連続計測するとともに、住人の改修に対するフィードバックを得た。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した通り、ゲルの断熱改修手法の試作品を、現地の人々の購入可能な金額にて製造業者により制作する目途がたった。更に、冬季に実際のゲルに試験施工する事により、住民からのフィードバックを得る事ができた。このプロセスを通じて、机上の建物熱負荷計算でとは大きく異なるアプローチ、即ち、途上国におけるAffordableな建築の熱的性能向上の手法を整理する足がかりを得た。
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| Strategy for Future Research Activity |
2020年1～2月にウランバートルのゲル住戸2軒で行った実測データの分析を通じて、施策した断熱改修手法の効果の定量化を行う。加えて、現地住民からのフィードバックに基づき、断熱改修手法の更なるブラッシュアップを図る。また、ウランバートルの自治体及び区役所、ゲル地区のコミュニティなどを対象として、現在の研究成果の情報発信を行い、開発した断熱改良手法の大規模な現地実装の道筋を探す。
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| Causes of Carryover |
科研以外に期間１年の外部資金を得ることが出来たため、その資金を優先的に充当した。これにより、２０１９年度分を繰り越し研究期間の最終年において、学術研究員を雇用するための経費に充当する予定である。
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