2019 Fiscal Year Research-status Report
同時使用率の確率論的算出手法の構築による中央熱源方式の熱源機器容量の最適化
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19K04745
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Research Institution | Hokkaido Research Organization |
Principal Investigator |
阿部 佑平 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 建築研究本部北方建築総合研究所, 研究主任 (70614147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊田 弘輝 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (20431322)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 同時使用率 / 中央熱源方式 / 熱源機器容量 / 集合住宅 / 生活スケジュール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、未だ十分なデータ構築がされていない同時使用率を確率論的な方法に基づき算出する手法を構築し、中央熱源方式による暖房システムが採用された住宅群や集合住宅を対象に、熱源機器容量の最適化を検討することである。今年度の研究成果を以下に記す。 1)実建物を対象とした同時使用率の実態調査 ガスエンジン発電機によるコージェネレーションシステム(CGS)と真空温水ヒーターにより、暖房と給湯が行われている集合住宅を対象に調査を行った。マンションエネルギーマネジメントシステムのデータを用いて、各季節の代表月におけるCGSと真空温水ヒーターの平均負荷率を分析すると、CGSは電力需要にあわせ概ね定格出力で運転していたため、負荷率は80%以上であった。一方、真空温水ヒーターの平均負荷率は冬期でも19%と低かった。また、各月における真空温水ヒーターの1時間毎の最大負荷率を分析すると、最大でも44%であり、実際の熱負荷に対して機器容量が過大であった。この要因の一つとして、設計時における同時使用率の設定が影響していると考えられる。 2)アンケート調査による生活スケジュールの把握 1)で調査を実施した集合住宅の全世帯を対象に、生活スケジュールに関するアンケート調査を行った。アンケートでは、平日および休日における外出、就寝、食事、入浴、暖房使用の時間帯を1時間毎に回答してもらった。回答数が多かった現役夫婦と子、現役夫婦、引退夫婦世帯の暖房の使用時間を分析すると、①朝方と夜間のみ使用、②朝方から夜間まで連続して使用、③24時間連続して使用するケースが見られた。平日と休日の使用時間数を比較すると、ほとんど変わらないか休日の方が長くなる世帯がある一方で、外出により短くなる世帯もあった。また、現役夫婦と子では育児を行っている世帯が多いため、24時間連続暖房や深夜の時間帯でも暖房を使用している世帯が多かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度の研究計画を予定通り遂行することができたため、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、調査を実施した集合住宅の各世帯の時刻別エネルギー消費量データや生活スケジュールを用いて、住棟全体の同時使用率の実態を明らかにする。また、得られたデータをもとに、同時使用率の確率論的算出方法を検討する。
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Causes of Carryover |
調査を実施した集合住宅において、マンションエネルギーマネジメントシステムでは未測定のデータについて測定機器を設置し調査することを計画していたが、熱源機器の更新工事が行われたことにより、調査の実施が令和2年度になった。このため、次年度使用額が生じることになった。次年度使用額は、調査で必要な測定機器の購入費と旅費に充てる。
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Research Products
(4 results)