2022 Fiscal Year Research-status Report
在留邦人が増加するアジア諸国における日本の居住文化の継承と変容
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19K04746
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
内海 佐和子 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (10398711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠崎 正彦 東洋大学, 理工学部, 准教授 (10312175)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 居住文化 / 住まい方 / 在留邦人 / 起居様式 / 東南アジア / 長地滞在 / 転勤 / グローバリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の研究期間は5年間であるが、その4年目となる2022(令和4)年度は、タイの首都・バンコック市において、以下の2つ側面からの調査を行う予定となっていた。1)転勤などの外的要因により転居し、長期滞在している邦人を対象とした、日本の居住文化の継承、および変容実態の把握を目的とした住まい方調査、ならびに居住文化に対する意識および住まい方の工夫を把握するヒアリング調査、2)邦人が居住するアパートメントの立地特性、およびその変遷の把握を目的としたヒアリング調査。 前年度までとは異なり、新型コロナウイルス感染症の流行状況が好転したことを受け、タイは、比較的早い段階から外国人の受け入れを始めた。そのため、今年度は現地調査を実施することができた。 まず、条件付きで海外渡航が可能となったことを踏まえ、2022年11月に現地調査を行った。この時は、現地在住邦人の協力を得て、外的要因により転居してきた邦人が、近年、特に好んで居住する地域である、トンローエリアの立地特性および居住環境を把握する現地調査、および立地特性に関するヒアリング調査を行った。続いて、2023年3月には、初年度にベトナムの首都・ハノイ市で行った調査と同様に、邦人が居住しているアパートメントを実際に訪問し、前述の住まい方調査、ヒアリング調査、写真撮影を行った。さらに、2022年11月調査とは異なる、プロンポンエリア、アソークエリアにおいて、外的要因により転居してきた邦人が好む地域の立地特性、および居住環境を把握する調査も実施した。 被調査者は想定より少数ではあったが、これまでの調査を踏まえた仮説の立証に向けた最低限のデータを入手することはできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までとは新型コロナウイルス感染症の流行状況が変わり、今年度は現地調査を実施でき、データを入手することができた。 一方、現地不動産会社に対する、邦人が居住するアパートメントの立地特性およびその変遷を把握するヒアリング調査は、情報の行き違いにより現地不動産会社からの協力を得られず、実施できなかった。そのため、代替えとして、現地在住邦人に協力を求め、情報を収集することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023(令和5)年度は、本研究計画の最終年度であり、現地調査を行った地で研究を報告する計画となっている。本研究は5年間の研究計画であったが、2020年(2年目)、2021年(3年目)の2年間、新型コロナウイルス感染症の流行に起因する渡航制限により、現地調査を行うことができなかった。そのため、研究報告を行う前に、現地調査が実施できなかった北京市やホーチミンシティで現地調査を行うことも検討したい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由は、以下の2点である。 新型コロナウイルス感染症の流行により、1)2020年(2年目)の調査対象地であったホーチミンシティにおいては、調査対象となる邦人の一時帰国が相次ぎ、現地調査も遠隔調査も不可能となった。2)2021年(3年目)の調査対象地であった北京市は、遠隔による調査はできたものの、現地調査はまだ不可能であった。よって、海外旅費が累積する形で次年度使用額が生じた。 新型コロナウイルス感染症の流行状況をみつつ、現地調査できなかった北京市やホーチミンシティで現地調査を行うことも検討したい。
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