2022 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ「多世代の家」適用施設における多世代交流場面と空間構成に関する研究
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19K04755
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
宮原 真美子 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (90726754)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多世代交流 / 多世代の家政策 / ドイツ / インクルーシブデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
Mehrgenerationenhaus(以後、MGH)は、ドイツ連邦家族・高齢者・女性・青少年省が行う家族政策であり、既存の福祉や幼児教育を母体とする施設やNPO法人等の活動拠点を、MGH適用施設として認定し、地域にあった多世代交流機会を提供する運営方法に特色がある。MGHには、集合住宅の共有空間として運営される規模の小さいものから、パブリックリビングと呼ばれる共有空間にて食事提供を行うような規模の大きなものまで、多種多様である。研究期間中には、食事提供を行うMGHに焦点を充て、NGO国際児童福祉組織が運営するベルリンの「Mehrgenerationenhaus SOS Children's Village Berlin-Moabit」、子育て世帯の母親支援からスタートとしたザルツギッターの「Mehrgenerationenhaus SOS Mutterzentrum Salzgitter」、高齢者施設と幼稚園の共有空間として運営されるエスリンゲン「Mehrgenerationenhaus Burgerhaus」、市営住宅と幼稚園を含む市が運営する「Generation House West of Rudolf Schmid and Hermann Schmid Foundation」、高齢者・障害者向けの住居を提供し、障害者の就労支援事業などにも取り組む福祉関係のNPOが運営する「Mehrgenerationenhaus Heidelberg」にて、高齢者、障害者、子供、子育て世帯までインクルーシブな交流場面と、その運営の実態から、「多世代の家」の効用を把握するため現地調査を行った。途中コロナで渡航が叶わず、日本の民間が提供する「まちの居場所」に調査対象を変え、コロナ禍での運営方法と利用実態に関する調査に切り替えた。今後、ドイツでの追加調査を行い、論文としてまとめる。
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