2019 Fiscal Year Research-status Report
Research on the living styles in Japan: Issues and characteristics to be clarified by the Japan-France comparison and the solutions to be presented
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19K04761
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
片山 勢津子 京都女子大学, 家政学部, 教授 (60164307)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 子ども / 住まい / インテリア / 日仏比較 / 就寝室 |
Outline of Annual Research Achievements |
幼い子どもを持つ家庭では、育児や家事を住まいでどのように行っているのか。就業率の高いフランスと低い日本について比較した。具体的には、前年度の調査結果(義務教育の長子を持つ日仏の母親300人を対象)をもとに、未就学児のいる家庭を対象にアンケート調査をおよびヒアリング調査を行った。 アンケート調査の被験者は、長子が0-5歳の核家族の母親で、大阪府とパリおよびパリ周辺在住の家庭それぞれ180名で、調査項目は、就寝、子ども部屋、おむつ替え、家事・育児サービス、食事、におい、リビングのインテリア、DIY・アンティーク、来客、生活観・育児観、などである。 結果として、独立寝の時期・子供部屋を与える時期・オムツ替えの場所・ゴミ箱やティッシュの置き方・来客頻度・リビングのインテリア・臭いへの対応・朝食の摂り方等に大きな違いが見られた。生活観・育児観に関しては因子分析を行い、日仏の違いを探った。 フランスはカップル中心の生活で、子どもには生後間もなく独立寝させ、個室を与え持ち物管理を徹底し、公私室分離が明確な住まい方をしている。また、色彩へのこだわりを持ち、夫婦で話し合ってインテリアを決め、来客を迎えることが習慣化している。予想に反してサービスの利用は主流ではないが、これは教育・育児行政サービスが構築され、夫の協力もあり、必要性を感じないためだと推測する。日本のインテリアの混乱には、来客がほとんどないため他人に見られることを意識していないこと、母子関係が強く部屋を多用途に使用するため雑多なものが分散していることが関係していると考える。また、1日の多くの時間を過ごす寝室については、親子同室寝の日本の習慣を自覚して、nLDK型住まいについて再考する必要があると考える。 今後は、アンケート結果をさらに分析して、新たな調査を検討する。在宅勤務等も視野に入れ、将来を見据えた住まいのあり方を検討したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日仏の未就学児を対象としたアンケート調査を無事に実施できたこと、またそのアンケートから様々な知見を得られ、研究協力者と下記学会発表に3報投稿したため、概ね順調と判断した。 日本建築学会近畿支部(共著)「日仏の比較からみる住まい方の特性 その2 未就学児のいる母親を対象とした住まい方と意識の違い」 日本建築学会大会(共著)「就学前の子どものいるフランス家庭の住まい方 住まい方に関する日仏比較研究 その3」「日仏比較からみる就学前の子どものいる日本の住まい方の特徴 住まい方に関する日仏比較研究 その4」
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの影響で、当初予定していた訪問調査ができなくなった。今後、世界は在宅勤務の方向へ大きく踏み出すことが予想される。そこで、これを機会に方針を若干変え、日仏のテレワークの状況をアンケート等で調べ、今後の住まいのあり方について考えていく予定である。 今年度は、前年度のアンケートの分析とアンケート調査の準備、実施を検討している。
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Causes of Carryover |
アンケート調査費用が高額であったため、企業からの関連研究に関する委託研究費を利用した。
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