2021 Fiscal Year Research-status Report
Research on the living styles in Japan: Issues and characteristics to be clarified by the Japan-France comparison and the solutions to be presented
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19K04761
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
片山 勢津子 京都女子大学, 家政学部, 教授 (60164307)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | テレワーク / 日仏比較 / 母親 / 子ども / 住まい方 |
Outline of Annual Research Achievements |
概要:昨年度のテレワークの日仏の実態調査の結果を踏まえて、実際の場所の使い方や理由を明確にするために定性調査を行った。当該年度はコロナ禍のため、日仏を対象に写真アンケート調査を実施した。 研究方法:予備調査を兼ねて、日本人の母親3名(関東1名、関西2名)を対象に行い、結果を元にWEBによるヒアリングを行って詳細を尋ねた。次に同様の内容で、フランスの調査会社Ipsosの写真アンケート調査を利用して、パリおよびパリ周辺に在住の25名の母親から回答を得た。フランスの場合はテレワーク場所が様々であることがわかっていたので、公室(LDKなど)・寝室・専用室、の事例が含まれるように割り付けを行い、回答を得た。 結果:日本人の場合は3名ともダイニングテーブルを最もよく利用していた。但し、人によって場所の使い方が異なった。子供に背を向けて集中する母親と、子供の行動とともに場所を変える母親、WEB会議の時だけ別の場所で行う母親といった特徴が見られた。場所の工夫は、1名がOA椅子を使用していたが、特に大きな工夫はなかった。一方、フランスでは公室かどうかでテレワークの場所作りが大きく異なった。公室の場合は、できるだけ目立たないような工夫を行い、部屋の調和を考えて常に生活空間としてのインテリアを整えていた。私室の場合は、部屋の調和よりも効率やモチベーションを高める工夫がとられていていた。また、日本に比べると設備機器に拘っており、サブモニターの使用やOA椅子の使用、ランプへのこだわりが見られた。結果的に日仏の部屋の使い方の違いが見られた。つまり、日本では部屋を多目的に使用し、場所作りの工夫はあまり見られないのに対して、フランスでは公私室のンテリアの考え方が異なり、場所作りに拘りが見られた。さらに、フランスでは子供は自室で就寝するので、住まいにおける母子の関係性も大きく異なることが具体的にわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍のため、当初の計画にはなかったテレワークの日仏比較を調査することになった。しかし、母親のテレワークを調査することで、住まい方の違いやテレワークの場所作り、インテリアの実態など、日仏の違いを明確にすることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に当たるので、研究のまとめを行う予定である。これまでの日仏実態調査の結果の検証や今後の住まいのあり方を考えた調査を考案中である。また、学会に論文(査読付き)の投稿を行う予定である。
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Causes of Carryover |
企業からの委託研究費を一部、調査に当てたため、予定していた費用が多少余りました。
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