2022 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the living styles in Japan: Issues and characteristics to be clarified by the Japan-France comparison and the solutions to be presented
Project/Area Number |
19K04761
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
片山 勢津子 京都女子大学, 生活デザイン研究所, 研究教授 (60164307)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 住まい方 / 在宅勤務 / テレワーク / 母子関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は総括として、母親を対象とした在宅でのテレワークスペースの評価基準を探ることを試みた。具体的には、自宅でのテレワークスペースについての現状と希望調査を行い、先行研究の結果から決定した5タイプについての順序付けと理由を尋ね、一対比較法を応用してプロトコル分析との関係から探った。その結果、フランスでは場所を機能によって使い分けようとするが、日本では他の用途と共用することに抵抗が少ないという傾向を、再確認した。これは家具に関しても同様で、フランスでは機能性や健康に配慮するが、日本では別用途の家具を共用する。この他の特徴として、日本の方が「子どもと一緒にいたい」という母子関係の強さが明らかになった。また、寝室でのテレワークの抵抗が強いこともわかった。 本研究では4年間、次の順序で調査を行った。①母親の住まい方②住まいにおける母親のテレワークへの対応③写真調査による母親のテレワーク場所の工夫④母親のテレワーク場所の評価基準 フランスは女性が働くのが当たり前で、先進国の中では出生率も高い。翻って、我が国では少子化と労働力不足は近々の問題である。本研究は、混乱した住まいのインテリアを解決して、男女参画社会に向けた住まいのあり方を探ることが目的である。上記4年間の調査によって、日本の住まい方の特徴、例えば、母子同室就寝の慣習、場所や家具の多用途での共用、母子関係の強さ等が確認できた。フランスでは、自立を促す育て方(子ども部屋の違い)、目的に応じた場所や家具の選択、快適性への工夫等が、確認できた。現代では急速にテレワークが導入された。物理的な解決法だけでは快適な住まいの計画は難しい。本研究で得られた日本人の住まい方の特性とフランス人の住まい方の特徴は、現状の解決と今後の住まいの計画への資料として、新たな知見をもたらすと考える。
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