2020 Fiscal Year Research-status Report
Designation Method of the Residential Induction Area and Inspection of Effects of the Compact City Formation in the Location Optimization Plan
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19K04789
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小川 宏樹 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (20425375)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 立地適正化計画 / 居住誘導区域 / 都市機能誘導区域 / コンパクトシティ |
Outline of Annual Research Achievements |
1.居住誘導区域指定の影響の考察 居住誘導区域指定後3年程度(概ね平成30年度末までに立地適性計画を策定完了)を経た自治体に焦点を絞り、居住誘導区域指定前後における誘導区域内外の人口動態・土地利用変化・建築動向等を比較し、区域指定の影響について考察を行った。特に線引き自治体については、区域区分との関係についても注目し、「市街化区域内の居住誘導区域」「市街化区域内の非居住誘導区域(居住誘導区域白地)」「市街化調整区域」のそれぞれについて影響を考察し、市街地集約や集約対象外地域の急激な環境変化の緩和措置等の都市計画的対応につながる知見を得ることを試みた。その結果、居住誘導区域白地における有効的な建築規制が無く、届出制度のみでは新規立地の抑制につながらず、区域の違いによる住宅の新規立地の動向にあまり変化がないことが明らかとなった。 2.居住誘導区域白地や市街化調整区域における新規立地の抑制手法の検討 従来の土地利用規制(区域区分や立地適正化計画)では、建築物の新規立地の抑制にあまり効果が見られないことから、災害ハザードエリアを考慮した開発規制を導入することで、新規立地の動向にどのような変化があるか考察した。徳島市を事例に、各区域指定の浸水ハザードエリアの状況を踏まえ、新規立地の動向を把握した。その結果、居住誘導区域白地ではあまり変化がみられないものの、市街化調整区域では新規立地の抑制効果があることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の進捗目標として、居住誘導区域指定の建築物の新規立地に対する集約、抑制効果を把握することとしたが、徳島市の事例研究においては、現時点では期待される効果が発揮されていないことを明らかにした。 また、コロナ感染防止のため、現地でのヒアリング調査等を一部オンラインでの調査に切り替えたものはあるが、概ね順調に進展していると考えている。特に災害ハザードエリアのデータがオープンデータとして公表されたことから、浸水想定区域と居住誘導区域との重複関係等、新たな視点を加えた分析もより進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
国土交通省は、頻発する自然災害に対応するため、災害ハザードエリアにおける建築物の新規立地の抑制と移転の促進により、安全なまちづくりを推進することを目的とし、2020年6月に都市再生特別措置法等の一部を改正している。この改正の要点として、①災害ハザードエリアにおける新規立地の抑制(災害レッドゾーンでの開発許可を原則禁止、市街化調整区域の災害イエローゾーンでの開発許可の厳格化)、②災害ハザードエリアからの移転の促進(「災害移転計画」制度の創設)、③災害ハザードエリアを踏まえた防災まちづくり(立地適正化計画への「防災指針」の導入、居住誘導区域から災害レッドゾーンを原則除外)といった本研究に関連する項目も含まれていることから、特に防災分野にも注目して最終年度の取りまとめを実施する予定である。
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Research Products
(12 results)