2020 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Relationship Between Evaluation of Accessibility based on Multi-modal Networks and Change of Urbanized Area
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19K04791
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
猪八重 拓郎 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (00448440)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 人口集積 / 産業集積 / 建物集積 / 土地利用集積 / 都市構造変化 / マルチモーダルネットワーク / MCA |
Outline of Annual Research Achievements |
佐賀市中心市街地を対象とし,100mメッシュに分割した都市構造の変化を人口集積,産業集積,建物集積,土地利用集積の観点から分析した.人口,産業については平成12年から平成27年の変化を,建物用途及び土地利用のデータに関しては,平成12年から平成26年のデータを用い分析を行った.これら二時点間のデータを併せ,主成分分析を行い評価軸を抽出した上で,クラスター分析を行い都市構造の特徴のグループ化を行った.さらに,これらのグループを維持・発展傾向のものと衰退傾向のものに分類することにより,二時点間における都市構造の変化を読み取った結果,約1割の個所において維持・発展傾向がみられるものの,その他の約9割の個所で衰退傾向を示すことが明らかとなった. さらに,維持・発展,衰退の傾向とマルチモーダルネットワーク上の建物・土地利用集積の関係性を明らかにするために判別分析を行った.目的変数には,維持・発展を1,衰退を0とおき,説明変数にはMultiple Centrality Assessmentに建物集積及び土地利用集積をWeightにおいた近接性,直線性,接続性の値を用いた.その結果,都市構造の維持・発展,衰退傾向には直線性が大きく影響していることが明らかとなった.さらに,Weightとしては,徒歩圏域(400m圏域)においては,主に建物集積の影響力が大きく,対象全圏域においては建物および土地利用の集積の両方の影響力が大きいことが明らかとなった. 以上のことから,都市構造の変化には,街路網構成の明快さが大きく影響し,さらに,狭域的には建物集積という立体的な都市構造が,広域的には立体的な都市構造に加え,土地利用集積という平面的な土地構造が影響していることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね計画通りに進展している.佐賀市をパイロットケースとして分析の手法を確立することができたため,今後は他の都市にも同様の手法を適用し,市街地の維持・発展,衰退の要因や水準に地域差があるのかどうかを次年度に検証したい.
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Strategy for Future Research Activity |
佐賀市で確立した分析手法を他都市でも適用し,市街地変容の普遍的な要因とその水準を導出する予定である.
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Causes of Carryover |
学会の中止やオンライン化により旅費の支出がなくなったこと,及び作業の効率化を図ったことによりワークステーションの購入や人件費(学生謝金)の支出を抑えることができたことなどにより次年度使用額が生じた. 次年度は,対面型の学会開催が行われた場合の旅費や処理に時間のかかるデータ解析の効率化のためのワークステーションの購入,人件費(学生謝金)に充てる計画である.
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