2023 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Relationship Between Evaluation of Accessibility based on Multi-modal Networks and Change of Urbanized Area
Project/Area Number |
19K04791
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
猪八重 拓郎 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (00448440)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | マルチモーダルネットワーク / アクセシビリティ / 市街地の変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,人口減少型社会において都市の縮退や集約の必要性がある中で,マルチモーダルネットワーク(様々な交通手段を組み合わせた複層的交通網)の持つアクセシビリティの特性が,市街地の変容(都市化・都市維持・都市撤退)にどのような影響をもたらしてきたのかを時系列的に明らかにすることを全体構想とした. 本研究では,まず人口減少が進んでいる佐賀県下の都市を対象とし,マルチモーダルネットワークの持つアクセシビリティの変化をMCA(Multiple Centrality Assessment)を用いて時系列的に明らかにした.その結果,近接性(CC:Closeness Centrality),直線性(CS:Strateness Centrality),媒介性(Betweeness Centrality)の観点から,必ずしもアクセス性は一様に向上しているわけではなく,上昇している箇所と減少している箇所が混在していることが明らかとなった. さらに,市街地の変容についても土地利用,建物立地,人口集積,事業所数,従業者数の観点からクラスター分析により明らかにした.その結果,維持・発展傾向,衰退傾向のある市街地のタイプに分類することができた. また,アクセシビリティの変化と市街地の変容の関係性について判別分析を用い明らかにすることにより,市街地を維持・発展を促すためには道路網による近接性の800m圏域のアクセス性を高めることが重要であることが明らかとなった.このことから,800mの圏域は徒歩10分程度の圏域であり,ウォーカブルな範囲での近接的なアクセス性を高めていくの重要性が示唆される結果となった.一方で,広域的な範囲におけるアクセス性は,市街地の衰退的な傾向と関係性を有することが明らかとなった.
|