2023 Fiscal Year Research-status Report
ニュータウンにおける住み替え支援システムに関する研究
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19K04794
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
安枝 英俊 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (60402971)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ニュータウン / 住み替え / 支援ツール / 戸建住宅 / テラスハウス / シナリオアプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、ニュータウンにおける住み替え支援システムを構築することを目的としたものである。2023年度の研究では、①2022年度に作成した居住継続に関する意思決定支援シートの更新、②神戸市の須磨ニュータウンにおける低層住宅地の更新状況の調査を実施した。 ①2022年度に作成した意思決定支援シートは、車椅子生活になる、1人で生活することになる、免許を返納するといった、予期せぬ出来事が発生した場合において、各出来事毎に、ニュータウンの学区内、ニュータウン内、ニュータウン外での居住可能性を検討するものであった。それに対して、居住可能性の検討だけでなく、各出来事毎において発生する、生活および住宅に関する不安を踏まえた上で、その不安を解消するために取り組むべき事柄を検討できるものに更新した。 ②低層住宅地の更新状況に関する調査については、神戸市の須磨ニュータウンを対象として、航空写真および神戸市固定資産(土地)地番参考図から、戸建住宅における敷地分割や、テラスハウスの更新状況をGISを用いて分析した。その結果、須磨ニュータウンを横断する神戸市営地下鉄線より北側では戸建住宅の敷地分割が多いが、南側では少ないことがわかった。また、テラスハウスの更新状況については、テラスハウスの片側だけを建替える更新がみられたが、このような更新をするテラスハウスの割合の高い町丁目の多くは、敷地分割をする戸建住宅の割合が低いことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
居住継続に関する意思決定支援シートを活用したワークショップの実施が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
兵庫県下のニュータウンにおいて、居住継続に関する意思決定支援シートを活用したワークショップを実施する。低層住宅地における更新状況の調査については、神戸市の須磨ニュータウンに加えて、兵庫県の明舞ニュータウンを対象とした調査を実施する。また、ニュータウン再生に関わる公民連携組織の活動内容の分析を踏まえて、相談窓口など住み替えに関する支援体制について検討する。
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Causes of Carryover |
2023年度に実施予定をしていた居住継続意向を検討する調査や、ニュータウンにおける低層住宅地の更新状況に関する調査を完了できなかったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額については、調査のための旅費、調査協力者に対する謝金として使用する予定である。
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