2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study and development of environmental design method for people with dementia based on the viewpoint of the parties in a society of coexistence
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19K04795
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
石井 敏 東北工業大学, 建築学部, 教授 (90337197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 哲郎 東北大学, 医学系研究科, 助教 (60731437) [Withdrawn]
矢吹 知之 東北福祉大学, 総合福祉学部, 准教授 (80316330)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知症 / 環境づくり / 認知症カフェ / 物理的環境 / 当事者 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年6~8月に仙台市内で開催されている認知症本人による本人のための相談窓口「おれんじドア」に参加する認知症の本人4名、家族3名および支援者3名にて、認知症カフェの評価指標に関する意見交換を行い必要な項目について検討した。評価指標の作成に当たってはスターリング大学の認知症サービス開発センター評価指標の改訂版、および「Designing Outdoor Spaces for People with Dementia(認知症の人々のための戸外空間のデザイン)」を用いた。調査結果としては、認知症カフェの環境には3つの要素が重要であることが明らかになった。第1に、会場となる場所の物理的な環境の工夫、第2に来場者がその時間を安心して過ごせる雰囲気づくり、第3に敷居の低い入口の物理的人的な配慮である。認知症カフェの特徴は認知症の人や家族、そして地域住民が同じ場で集うことからも、相互の理解と交流が促進する会話がその場の雰囲気を作るが、一方で思いの衝突や思わぬ軋轢が生じる恐れもある。そのために、その場をコーディネートする専門職が必要である。認知症について知識のある専門職や運営者の存在は安心して過ごす環境づくりには重要であることがあらためて明らかになった。認知症カフェは地域の身近な場所で開催されることも特徴の一つである。施設ではない場所で開催されることで、これまで認知症に関心のなかった方にも間口を広げることが期待される。今回の調査では、その入り口での対応や看板、誘導などによって全体の評価に影響していることが明らかになった。 また研究期間全体を通した研究成果の公表の一環として、当事者視点での認知症の環境づくりの重要性について動画「その優しさは、誰のためなのか Who is this kindness for?」(英語字幕付き)を制作して啓発活動を行った。動画はYoutube で配信した。
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[Book] 建築計画2022
Author(s)
竹宮 健司、石井 敏ほか
Total Pages
176
Publisher
朝倉書店
ISBN
9784254266498
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