2021 Fiscal Year Research-status Report
地方祭礼における空間・社会的基盤の実態と変容―高知県・絵金芝居絵屏風を対象に―
Project/Area Number |
19K04803
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
北山 めぐみ 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 准教授 (40734257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永原 順子 大阪大学, 大学院人文学研究科, 准教授 (30455224)
増井 正哉 京都大学, 大学院人間・環境学研究科, 名誉教授 (40190350)
本塚 智貴 明石工業高等専門学校, 建築学科, 講師 (40751152)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 絵金 / 神社祭礼 / 夏祭り / 運営組織 / 変遷 / 展示形態 / 芝居絵 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、2021年度もコロナ感染症拡大の影響で神社祭礼が縮小され、芝居絵の展示を行った神社は見られなかった。また、それに伴い地域住民へのヒアリング調査が限定的なものとなったが、コロナ禍における祭礼の実施状況を把握した。また、昨年度から進めていた文献の整理・分析をさらに進め、概ね完了させることができた。さらに、類例調査として、オンラインによる研究会による事例研究、周辺の祭事調査を行った。 今年度の研究実績は以下のように整理できる。 ①2021年度夏祭りの実施状況を現地調査と可能な範囲でのヒアリング調査により行なった。コロナ禍への配慮から、神事の取りやめ、神事のみ、提灯、露店出店など、神社によって様々な対応がなされていたが、芝居絵を展示する神社は確認できなかった。絵金を含めた祭事に対する意識を窺い知ることができた。 ②新聞記事・書籍・雑誌・ヒアリングなど、これまでの資料をもとに、神社ごとの祭事、芝居絵展示の方法、運営組織等を時系列に整理し、比較を行った。これにより、芝居絵の展示復活に際して展示形態に変化が見られる事例が多いこと、また祭事の性格の違いによる多様な組織の関わり方が見られることが明らかとなった。 ③類例調査として、西宮神社十日戎開門神事の研究に長く取り組んでこられた明石高専の荒川准教授に、神事の変遷について発表いただき、調査方法や整理・分析の視点において示唆をいただいた。また「えんこう」祭りなど、周辺で行われている祭事についても現地調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に引き続き、コロナ禍により神社祭礼が縮小されたことにより、芝居絵展示が行われず、また地域住民へのヒアリング調査も困難となるケースが多かったため、予定していた詳細調査まで踏み込むことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も引き続きコロナ禍の影響が見込まれるが、祭事の復活の傾向も伺われ、復活の仕方について注視をして行くとともに、感染防止に配慮した上で、研究対象を限定した詳細調査を進めて行く予定である。
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Causes of Carryover |
蔓延防止措置等により県外の共同研究者が現地調査に訪れることができなかったため、特に旅費に関して使用額に予定額との差が生じた。次年度は県を跨いだ現地調査も可能と考えるが、最終年度となるため、進捗具合を見て研究期間の延長も視野に入れて進めて行くこととする。
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