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2022 Fiscal Year Research-status Report

20世紀前半のドイツにみる近代化における新しい郷土像の追求に関する研究

Research Project

Project/Area Number 19K04821
Research InstitutionFukuyama University

Principal Investigator

山本 一貴  福山大学, 工学部, 講師 (90533977)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2024-03-31
Keywordsモダニズム / 故郷 / ホーム / ジードルンク / 工業化 / 都市化 / 郷土保護 / 自然
Outline of Annual Research Achievements

4年度目である2022年度は,郷土に関する雑誌上の議論の経過と傾向の析出について,ドイツに渡航し,ドイツ国立図書館フランクフルト(フランクフルト),ダルムシュタット工科大学・州立図書館(ダルムシュタット)を訪ね,本研究で主な調査対象としている雑誌資料のうち,国内機関では特に調査し難い,ベルリンの雑誌『Die Bauwelt』やフランクフルトの雑誌『Stein, Holz, Eisen』を閲覧し,文献資料の追加調査・収集をおこなった。
また,上記2誌に加えてベルリンの雑誌『Der Staedtebau』やミュンヘンの雑誌『Der Baumeister』で,郷土像に関する議論の遡上にのる,住宅や住宅地の具体的な開発手法や応用事例の分析について,ドイツ建築博物館図書館(フランクフルト),フランクフルト市史研究所(同)等を訪ね,雑誌・図書や公文書等の文献資料の調査・収集,現地踏査をおこなった。
さらに,ドイツにおける新しい郷土像の追求に関する議論の展開について,ジードルンク(後述する『ジードルンク』での言葉を借りれば,「都市発展に伴う計画的な住居地」を指す)という20世紀前半の新しい建築思潮の日本への伝播過程と関連付けて分析・考察を進め,国立国会図書館をはじめとする国内の諸機関にて文献資料の調査・収集をおこなった。建築学会が刊行した山田守著『ジードルンク』(1933)について,掲載される図や図表等の典拠と考えられる文献の特定を試みるとともに,「CIAM」と「国際住居会議」の報告書と比較しその参照の様態を把握した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初計画をしていたドイツでの調査を,新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けて,2020年度に続き2021年度も断念したが,2022年度に入ってようやくドイツへの渡航の目途が立ち,勤務先や用務先と調整の上,3年度ぶりに国外での調査を実施することができた。この間,2022年度も含め,これまでの国内外での調査や日本国内からでもアクセス可能なデータベースでの情報収集を通じて,文献資料の調査・収集を行い,その精査を成し得た。以上から総合的に判断し,「やや遅れている」と判断する。

Strategy for Future Research Activity

補助事業期間を延長し,2023年度も本研究課題を推進する。文献資料の調査に基づく議論の分析,及び,現地調査に基づく建築空間像の分析をさらに進め,得られた知見を総合し,20世紀前半のドイツにおいて追求された新しい郷土像の特質を明らかにする。
いまだに調査の途上にある雑誌等の文献資料があること,そして,分析を進めるなかで,新たに調査すべき文献資料や確認すべき現地の状況が出てくる可能性があることから,2023年度においても,国内外での文献調査および現地調査を計画している。
そして,得られた知見を総合し,雑誌論文や学会発表等を通じ,研究成果の発表と議論を行う方針である。

Causes of Carryover

まず,次年度使用額が生じた理由を述べる。これは,当初計画をしていた,ドイツへの海外渡航を伴う文献資料の調査および現地調査を,新型コロナウイルス感染症の影響を受けて,2020年度と2021年度の2年連続で行わなかったことによる。
次に,使用計画を述べる。2022年度に続き2023年度も,ドイツへの海外渡航を伴う文献資料の調査および現地調査にかかる旅費等への使用を計画している。しかし,依然として,感染症や世界情勢の影響を受けて,延期または中止を余儀なくされることが想定される。このことに対応して,国内外の機関の協力を得て,国内からでも賃借・複写等により文献資料の調査収集を進める。そのための現物貸借費や複写費,送料等に使用することを計画している。また,いっそう円滑に調査分析を進めるため,パソコン及び周辺設備機器の充実に使用することなども計画している。

  • Research Products

    (6 results)

All 2022

All Journal Article (3 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] 山田守著『ジードルンク』に掲載される「図表」及び「図」の典拠について2022

    • Author(s)
      山本一貴,中江研
    • Journal Title

      日本建築学会近畿支部研究報告集 計画系

      Volume: 62 Pages: 437-440

  • [Journal Article] 山田守著『ジードルンク』に掲載される「表」の典拠について その1:「国際新建築会議」の報告書との比較を中心に2022

    • Author(s)
      山本一貴,中江研
    • Journal Title

      日本建築学会大会学術講演梗概集 建築歴史・意匠

      Volume: 2022 Pages: 713-714

  • [Journal Article] 山田守著『ジードルンク』に掲載される「表」の典拠について その2:「国際住居会議」の報告書との比較を中心に2022

    • Author(s)
      中江研, 山本一貴
    • Journal Title

      日本建築学会大会学術講演梗概集 建築歴史・意匠

      Volume: 2022 Pages: 715-716

  • [Presentation] 山田守著『ジードルンク』に掲載される「図表」及び「図」の典拠について2022

    • Author(s)
      山本一貴, 中江研
    • Organizer
      令和4年度日本建築学会近畿支部研究発表会
  • [Presentation] 山田守著『ジードルンク』に掲載される「表」の典拠について その1:「国際新建築会議」の報告書との比較を中心に2022

    • Author(s)
      山本一貴, 中江研
    • Organizer
      2022年度日本建築学会大会(北海道)学術講演会
  • [Presentation] 山田守著『ジードルンク』に掲載される「表」の典拠について その2:「国際住居会議」の報告書との比較を中心に2022

    • Author(s)
      中江研, 山本一貴
    • Organizer
      2022年度日本建築学会大会(北海道)学術講演会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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