2020 Fiscal Year Research-status Report
Effect of Deformation of the Inflatable Deceleration Device for Reentry Vehicles on the Aerodynamic Characteristics
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19K04847
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
大津 広敬 龍谷大学, 先端理工学部, 教授 (20313934)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | バルート / 流体構造連成解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、2019年度に確立した3Dプリンタを用いた柔軟性を備えたバルート試験模型作成方法を平面形状を正多角形形状に変更して研究を行った。これは、実機の設計・製作においては完全な円形では製作が困難なためである。上記の方法で作成した模型を利用して、宇宙科学研究所の高速気流試験設備にて超音速風洞実験(マッハ3)を実施した。3Dプリンタには2019年度末に購入したForm3を使用し、光硬化性レジンを材料として用いることでヤング率が6.4MPaの材料による柔軟構造模型を作成し、模型内部の断面構造を工夫することで、高速気流中におけるバルートの剛性とバルート模型の変形量の関係を実験的に明らかにすることを試みた。その結果、宇宙機とバルートとの固定点の数を2倍に増やすことにより変形量を約90%軽減でき、その結果、抗力係数が柔軟構造模型でもほぼ変化しないことを実験的に明らかにすることができた。
また、風洞実験と同じ気流条件で数値流体構造連成解析を行った。解析にはANSYS Discovery AIMを用いて行った。その結果、試験模型の変形の様子を調べるための拘束条件を正確に再現することが困難であったため、定量的な一致を見ることはできなかったものの、固定点を増やすことにより変形量を大幅に軽減できることを定性的に示すことができた。
以上の実験および解析により、正多角形形状バルートについて剛性と変形量の関係を明らかにした。上記の研究結果は、2回の国内学会において口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)現在所有している3Dプリンタおよび柔軟性を備えた光硬化性レジンを用い、超音速風洞試験の動圧に耐えることのできる正多角形形状バルート模型を製作することができた 2)ANSYS Discovery AIMによる流体構造連成解析により、超音速気流中の正多角形形状バルートの変形量および変形の様子について風洞実験と解析で定性的な一致が得られた。 以上の結果から、想定した進捗状況であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、2019年度末に購入したより高精度な新しい3Dプリンタにより、複雑な形状の試験模型を作成に成功したが、試験模型の保持方法(拘束条件)について実際の試験条件と解析でずれが生じたため、変形量に差が生じた。2021年度は、ANSYS Discovery AIMによる流体構造連成解析における拘束条件を考慮した試験模型の作成を行い、風洞実験との詳細な比較を行う。 併せて、風洞実験の環境だけでなく、実際の飛行環境を想定した解析を行い、剛性と変形量の関係および変形量が空力特性に与える影響の評価を目指す。
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Causes of Carryover |
2020年度は、コロナ対応に伴い、予定していた風洞実験を一部実施することができなかったため、旅費および模型製作費用などの部分で差が生じた。2021年度は、東京大学柏キャンパスにおける風洞試験設備を利用した実験を行うための旅費および試験模型作成費用などに利用したいと考えている
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