2020 Fiscal Year Research-status Report
衛星搭載風ライダーによる風高度分布観測の空間分解能最適化に関する研究
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19K04849
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
石井 昌憲 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (70359107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 幸三 気象庁気象研究所, 気象観測研究部, 室長 (40584660)
久保田 拓志 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 第一宇宙技術部門, 主任研究開発員 (90378927)
宮本 佳明 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 講師 (90612185)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ドップラー風ライダー / 衛星 / 数値予報 / データ同化 / ライダーシミュレータ |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度で空間分解能がやや粗い疑似真値場を用いて実施したライダーシミュレーションやデータ同化システムを用いた実験の実施、シミュレーション結果と再解析気象データと比較し、初期値に対して検証した予報精度の評価、空間分解能を向上した疑似真値場(高疑似真値場)(2018年1月、8月)を用いてシミュレータの動作確認試験等を行ってきた。 今年度は、空間分解能がやや粗い疑似真値場を用いたデータ同化システムによって得られた予報を航空機運航業務(燃料使用量、CO2排出量)の観点から複数の地域に対して評価を行い、予測精度向上の効果がある事が確認された。本研究で作成した高疑似真値場を用いてライダーシミュレーション、データ同化実験を行った。ライダーシミュレーションでは、二つのライダーシステム(波長1.5-μmを用いるシステム、波長2-μmを用いるシステム)を想定して実験を行った。2018年8月を対象としたデータ同化実験結果では、各気象要素の改善度は、予報時間初期を中心に波長1.5-μmレーザを用いるシステムでは最大3%程度、波長2-μmレーザを用いるシステムでは最大2%程度改善することがわかった。レーザシステム性能の違いにより、予報精度の改善に差が生じることが分かった。複数の高度分解能によるライダーシミュレーションを実施し、データ同化実験に着手をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高い解像度を持つ疑似真値場として空間分解能60km以下の疑似真値場として2018年1月1-31日、8月1-31日を新たに作成した。数値予測精度向上による航空機運航業務への評価を行った。作成した高疑似真値場を用いてライダーシミュレーション、データ同化実験を行い数値予報への効果を評価できた。以上の進捗状況から、当初の目標に向けて順調に研究が進展しており、予定通りの成果が見込まれると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、高疑似真値場を用いて複数の高度分解能によるライダーシミュレーション、データ同化実験を実施する。データ同化実験を用いてライダー観測の空間分解能の違いによる数値予報への効果を調査する。航空機運航業務へ最適な空間分解能を検討する。
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Causes of Carryover |
2020年度に本研究課題に成果発表として国内外の学会に参加用旅費として計上したが、オンラインによる開催だっため、旅費を全額執行することが出来なかったため繰り越すこととした。 次年度に、研究代表者、研究分担者の国内外の会議参加費、物品費として使用する。
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Research Products
(13 results)