2021 Fiscal Year Annual Research Report
水ブラストにおける戻り錆の塗膜耐久性に対する影響の検討
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19K04874
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
高田 篤志 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (90470054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沢 直樹 大阪大学, 工学研究科, 教授 (90252585)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 塗膜下腐食 / 戻り錆 / 可溶性塩類 / 腐食進行シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
水道水を用いて戻り錆を発生および屋外暴露により錆を発生させた2種の試験板に通常の塗料から顔料を抜いた透明塗料を塗装した試験板を用いて50℃の浸漬試験を実施した。その結果として屋外暴露により錆を発生させた試験板では、戻り錆試験板やリファレンス用の無発錆と試験板と比較して錆の発生および進展が大きいことが確認された。 しかしながら、研究所のある陸地環境での屋外暴露では塗装に影響を与えると考えられる可溶性塩類の付着が少なく、予想したような差異は測定されなかった。そこで、実際の造船所のような環境で発生しうる可溶性塩分の付着量を実現するための塩分付着法の検討を行い、人口海水を用い海浜環境で暴露したような塩付着量(50mg/m2およびそれ以上)を持つ試験板を作成することが出来た。 上記で作成した塩付着試験板、戻り錆試験板、屋外暴露試験板の50℃浸漬試験を実施し、塗膜下腐食の発生・進展には、塗膜下に残留する可溶性塩類の量の影響が大きくとの知見を得た。また、無処理のリファレンス試験板との比較で戻り錆が発生している試験板であっても可溶性塩類の付着がない戻り錆試験板に関しては、本研究で実施した試験の範囲内では、その影響は小さいことが判った。 塗膜下腐食進行シミュレーションに関しては、腐食試験の実施に時間を要したため、試行の段階に留まっているが、塗膜下腐食進展データが得られたので、本研究終了後も実験データとの比較検討を行っていく予定。
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